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全文公開! 賢いテレビって、どんなもの?(後編)「ITmedia スマートテレビ研究所」第一回シンポジウム(5/6 ページ)

» 2011年09月08日 14時29分 公開
[ITmedia]

いとう いや〜、もう、それ、出る方としては怖いですよ。「他の人が映っている間にあくびしておこう」とか「他の人が映っている間にちょっとかいとこう」とか思っているところが、ずーっと映されていて、いつ見られているか分からないって状態だったら、ちょっと恐怖ではありますね。

麻倉 ま、要するにスイッチングというのが一番編集とか絵作りのあれなんだけど、それの権利をユーザーに渡しましょう、ということなのね。

いとう 怖いな(笑)

乙武 大丈夫です。そんないとうさんに対してもコメントが寄せられています。

 「かわいい」。

いとう ありがとうございます(笑)

そんないとうさんに対してもコメントが寄せられています【1時間17分45秒前後〜】

乙武 「乙武乙」(乙:お疲れさまの意味)ありがとうございます。さて、あっという間に時間が迫って参りまして、そろそろお別れの時間が近づいてきてはいるんですが、それぞれ、色々議論があったとは思うんですが、お1人ずつ、感想をいただきたいと思いますが、じゃあ、いとうさんからお願いできますでしょうか。

いとう 本当にスマートテレビって何なのかって全然わからなかったんですけど、ま、なんとなく大枠は今日、分かって。ちょっとだけね。うっすらと分かってきたかなと思いつつも、でも、こういう風に番組を持つことで、たぶん、企業さん側も色々な人の意見を集めて、それで新しいスマートテレビを構築されようとしているという意味では、すごく画期的だなと思います。

 今までのように、自分たちの技術を集結して、それをゴーンとお客さんに送っておけばいいわ、というのじゃない、これからはもっとみんなの意見を取り入れようというところは、素晴らしいなと思ったし、さらにもっと、私たちも企業に対して、いろんな意見を言って、自分たちの取り入れてほしいものを伝えるってこともしていかなきゃいけないし。でも、これ、2回も3回ももっとやってほしいなと。また、私も出ることでもっともっと勉強して、スマートテレビの色々なメッセンジャーとしてなっていけるくらいなりたいな、と今日、改めて思いました。まだまだ未知なる世界ですけど、もっと勉強したいなと思いました。

乙武 ありがとうございました。松村さん、いかがでしょうか。

スマートテレビの3つの論点とは【1時間19分40秒前後〜】

松村 そうですね。うかがっていると、技術的なものは、もうかなりスマートなんじゃないかと思うんですよ。だから、改めて、今後の議論のために3つ、スマートテレビの論点を提案したいと思うんですが、1つはやはり「コンテンツのスマートさ」っていうところなのかなと思うんですね。先程のマルチアングルで、というお話もあったと思うんですけれども、自分が見たいものとか、みんなで見て面白いものとかっていうコンテンツがどこにあるんだろうというのが見つけられる、あるいは見たい時に見るみたいなところが、1つ、コンテンツのスマートさとしてある。

 で、Twitterのご意見でもあったんですけど、全部、ベタっと見ていられないんだけど、要点だけ摘んで見たい、みたいな、そういう技術も採用されているメーカーさんもあるかもしれないですけれども、そういうコンテンツのスマートさが1つだと思うんですね。

 もう1つは、「時間の使い方のスマートさ」をもう少し意識できるといいと思っていて、コンテンツを要約しながら見るというのはもちろんあるんですけど、逆に、サッカー中継とかスポーツ中継みたいなライブで楽しむっていうときに、どういう効果を発揮してくれるのか、というのが時間のスマートさですよね。

 最後にもう1つ、「我々がもっとテレビを見ることによって、スマートになる」というか、賢くなる、というようなところが、できればいいなと思うんですね。勉強するっていうと堅いと思うんですが、感性であるとか、知識だとかっていうものを、もっとテレビから得られるとすごくいいなと、常々思っているんですね、さまぁ〜ずさんだけじゃなくて(笑)。だから、そういうところの3つのスマートさっていうのが、これからもうちょっと研究していけると、すごく面白いんじゃないかなと思いました。

乙武 麻倉さんは。

麻倉 はい、ネットとつながることによるベネフィットとしてはスマートってすごくあったんですけど、なんかこう、見ることによって、自分自身がスマートになり、スマートな体験ができるみたいなことも、とても大事かなと思いまして、例えば、私はずっと画質を追求しているんですけど、メーカーのテレビの画質というのは、ある一定の設定にしか変わらないんですよ。つまり、ある決めた値にしか。だけども、コンテンツって山ほどあるわけですよね。良いコンテンツ、悪いコンテンツ、それから例えば映画で言うと、フランス映画のまったりとした感じと、やっぱり「インディ・ジョーンズ」は違うでしょう、みたいな。

 全部おんなじ画質設定なんですけど、例えば『シェルブールの雨傘』を一番よく見せてくれる画質にしてくれるようなスマートなインテリジェントを持ったテレビとかね。例えば、ライブの音楽をやっているんだったら、それがクラシックのライブとポップスは違うでしょうと。やっぱりポップスは低音がどんどん出なきゃいけないし、クラシックはまったりしてなきゃいけないし、みたいな。やっぱり、コンテンツに徹底的に志向したものを見せてくれることが、見る方もスマートになるし、頭もスマートになるし、心がスマートになりますよね。なんか、そういう意味のスマートさっていうのも、もう1つ議論しなきゃいけないと思うんですよ。

 つまり、我々は知的なスマートさってすごく議論しているんですよね。どんどん追求すると、どんどん頭が良くなる。でも、なんかもっと「気持ちよくなる」とか「癒してくれる」とか、そういう意味でのスマートさというのもあると。ま、それもやはり、クラウドがあって、ネットがあって、という世界だからこそできるわけで、そういう意味では、まだまだ「100のうちの0.5くらい来た」程度ですから、これからぜひ研究を続けていきたいと思います。

乙武 ありがとうございます。本田さん、いかがでしょう。

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