さらに今回は、光学フィルターや駆動回路の見直しにより、3D表示の明るさとコントラストを向上。暗部の階調性や発色も良くなっているという。「大きな特長は、明るさを増しつつ黒を沈めたこと。他社製品では3D表示の際にダイナミックアイリスをオフにしてしまい、黒浮きの原因になるケースがある。黒は3Dの奥行き感や立体感を表現する上で重要な要素。われわれはネイティブコントラストの高さが3Dにも寄与している」。Wireグリッド採用の光学エンジンを改良し、ネイティブコントラストはDLA-X90Rで12万:1を実現している。
新たに2D-3D変換機能も搭載した。こちらはJVCの業務用3Dイメージプロセッサー「IF-2D3D1」の2D-3D変換アルゴリズムを民生機向けにチューニングしたもので、高精度の3D変換が可能になったという。さらに変換した映像に対して、奥行きや字幕の調整も行える。なお、DLA-X90RおよびDLA-X70Rは、「THX 3Dディスプレイ規格」を取得済みだ。
「DLA-X90R/X70R」は、映画鑑賞を想定した各種設定や調整機能を多く備えている。Adobe RGBをカバーする色再現域をはじめ、キセノンランプ光源に近い色温度設定、スクリーンの反射特性によって生じる色の違いを補正する「スクリーン補正モード」、1/16画素単位で微妙な調整が可能なピクセルアジャスト機能など。中でもスクリーン補正モードは、今回から約100種類のスクリーン・パラメーターを内蔵しているほか、今後登場するスクリーンのために最大255種類までの補正モードを用意。「今後、スクリーンの種類が増えた場合には、LAN端子を利用してバージョンアップが可能だ」(同社)。
また新機能として、「レンズメモリー機能」が追加された。電動ズームレンズのズームやフォーカス、レンズシフトで調整した画面位置を3つまでメモリーしておき、リモコンからワンタッチで呼び出せる仕組み。コンテンツに応じて、ビスタサイズやシネスコサイズを切り替える際に便利だ。
プレミアムモデルのDLA-X90Rだけの機能として、市販の光学センサーと専用ソフト(JVCサイトから無償ダウンロード)を利用して、PCから映像セッティングやオートキャリブレーション、ユーザー設定画質の保存などが行える。「画質にこだわるマニア層に向け、安定した画質を提供できる」(同社)。
そのほかの主な仕様は下表の通り。
型番 | DLA-X90R | DLA-X70R | DLA-X30 |
---|---|---|---|
デバイス | 0.7インチD-ILAデバイス×3 | ||
4K対応 | ○ | フルHD | |
レンズ | 2倍電動ズーム・フォーカス | ||
レンズシフト | 上下80%、左右34%(電動) | ||
光源ランプ | 220ワット超高圧水銀ランプ | ||
明るさ | 1200ルーメン | 1300ルーメン | |
入力端子 | HDMI×2(3D、Deep Color)、コンポーネント×1、アナログRGB×1(DLA-X30を除く) | ||
騒音レベル | 20dB | ||
消費電力 | 360ワット | 330ワット | |
外形寸法 | 455(幅)×179(高さ)×472(奥行き)ミリ | ||
重量 | 15.4キログラム | 14.9キログラム | |
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR