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ウォークマン史上最高音質は本当か!? 「A860」と「X1000」をガチ比較野村ケンジのぶらんにゅ〜AV Review(1/2 ページ)

» 2011年10月13日 12時55分 公開
[野村ケンジ,ITmedia]

 例年通りというべきか、今年も秋口に新型ウォークマンが発表された。さらにいえば、今年のウォークマンは「一新」または「刷新」という言葉が似合いそうな、大々的な刷新が敢行された。

A860シリーズ。16Gバイト、32Gバイトに加えて、64Gバイトモデルも登場した

 なかでも最大の注目は、Android搭載のウォークマン「Z1000シリーズ」の登場だろう。初めて音の良さを前面に押し出したAndroid端末であり、アップルの「iPod touch」に真っ向から対抗する新製品だけに、その実力のほどは大いに期待がもたれるところだ。

 だがもう1つ、ウォークマンには注目すべき新製品がある。それは、Aシリーズの最新モデルである「A860シリーズ」だ。こちらは筐体(きょうたい)が一新され、Aシリーズとしては初めてタッチパネルを採用したほか、歌詞表示機能も強化。また先代「A850」シリーズから受け継ぐノイズキャンセリング機能やBluetooth対応なども含め、使い勝手と機能性に注力したモデルといえる。

旧モデル、A850シリーズに対してスタイルを一新。手になじみやすいデザインとなった(左)。ヘッドフォンコネクターはドックコネクタとともに下側に配置。操作系、ホールドボタンは片側にまとめられた(右)

 しかしもっとも興味をひかれるのは、そのサウンドクオリティーだろう。今回のA860シリーズでは、「ウォークマン史上最高の音質」というキャッチフレーズで、音のよさを大々的にアピールしてきたのだ。

2009年発売の「NW-X1000」シリーズ。“最高峰”をうたうフラグシップモデルだった

 ことウォークマンに関して、「史上最高の音質」という言葉には特別な意味を持つ。なぜなら、もともとウォークマンは音がいいという巷の評判以上に、ウォークマンには自らに超えなければならない大きな壁があるからだ。そう、ウォークマンは過去に「X1000シリーズ」というハイエンドモデルが発売されており、生産が完了している現在でも、音楽ファンの間で高い人気を誇っている。この音質を超えなければ、「ウォークマン史上最高」はうたえない。なんとも高いハードルが、ウォークマンには課せられているのだ。

 だからこそ、この言葉には深くて重い意味がある。それがただのセールストークか、それとも自信の現れなのか、その真偽のほどを確認すべく、さっそくサンプル機を借用、ガチの試聴を行うことにした。比較対象は旧A850シリーズとともに、当然のごとくX1000シリーズも用意(というかリファレンスとして普段から使用しているもの)。ヘッドフォンはソニー「MDR-Z1000」とシュアの「SE535」、加えてカスタムイヤーの「FitEar MH334」を使用した。

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