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重量級BDレコーダー「DMR-BZT9000」で観るコーエン兄弟最新作「トゥルー・グリット」山本浩司の「アレを観るならぜひコレで!」(1/2 ページ)

» 2011年10月20日 18時32分 公開
[山本浩司,ITmedia]
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 春秋の年2回、新機軸を加えたニューモデルを投入するというモーレツな開発パワーで市場をリードするパナソニックのBlu-ray Discレコーダー“ブルーレイディーガ”の開発部隊。今春のトップエンド機「DMR-BZT900」にゼロを1つ加えた4ケタ型番の“プレミアム・モデル”「DMR-BZT9000」が9月初旬に発売され、自室で使い始めて1ヵ月ほど経つが、DMR-BZT900からの画質・音質面での着実な進化ぶりを実感し、開発陣の地道な努力に改めて拍手を送りたいと思った。

9月に販売を開始した「DMR-BZT9000」。本体サイズは、437(幅)×77(高さ)×239(奥行き)ミリ

 筐体(きょうたい)サイズはDMR-BZT900とほぼ同じだが、手に持つと本機DMR-BZT9000のほうが断然重い。資料を見ると質量は約7.5キログラム。約4.3キロのBZT900よりも3.2キロも重い計算になる。

 トップ& サイド・パネルにアルミの押出し材が新たに採用されたほか、ベースシャーシは3層構造となり、駆動メカは絞りを入れた堅固なシェルターに覆われている。つまり振動対策を徹底することで、約3.2キロもの質量アップとなったわけだ。これはいかにも画質・音質に効きそうだ。これまでメガネ型だった電源ケーブルも信頼性の高い3芯タイプに。しっかりとした太いOFCケーブルが付属しているのも心強い。

HDD容量は、DMR-BZT900同様の3Tバイト。AVC-REC による長時間録画の画質も「ジャンル最適化エンコード」技術の進展などでいっそう磨かれているようだが、この大容量HDDならぼくはDR録画以外使うことはないだろう。実際、内蔵チューナーでDR録画したその映像は、抜群の切れ味を訴求する明晰美麗な超高画質。BZT900以上の鮮烈さである。

 DIGA史上もっとも物量が投入されたと思われる本機だけに、アナログ音声出力でCDを聴いてみよう。本機の高音質化にかける開発陣の入れ込みはハンパではない。BD ROM再生時(HDMI 出力)にチューナー/HDD/冷却ファンを完全に止められる「シアターモード2」とアナログ映像出力系を止められる「ハイクラリティサウンド2」に加えて、CD再生時(アナログ出力)は、HDMI回路も完全に停止することができる。32ビット高品質音声D/Aコンバーターの魅力が生きる、いわばDAC ダイレクト・モードでCDを聴くことができるわけだ。

DMR-BZT9000に採用された高品位パーツの数々。左からセラミック製のインシュレーター、192kHz/32bit DAC、電源トランス

 2008年に発売されたパイオニアのBDプレーヤーのトップエンド機「BDP-LX91」(発売当時43万円)と比較試聴してみたが、総合点でLX91に引けをとらない印象。威風堂々とした中低域の音の厚みでLX91の優位は動かないが、きびきびとした軽快な音の出方、瞬発力の高さ、音の透明感で本機に軍配を上げたくなる。重い3層ベースシャーシを採用してディスク振動の影響を大幅に低減した効果は誰の耳にも明らかだろう。いずれにしても、不要な回路の動作を停止することで輻射デジタルノイズを抑えられるDAC ダイレクト動作を用いれば、CD専用中級プレーヤーに負けない音を聴かせてくれることは間違いなく、本機の活躍の場は大きく広がりそうだ。

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