ITmedia NEWS >

パイオニア初のネットワークオーディオプレーヤー「N-50」の実力を探る野村ケンジのぶらんにゅ〜AV Review(2/2 ページ)

» 2011年11月10日 16時11分 公開
[ITmedia]
前のページへ 1|2       
※本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

ノイズレベルが低いピュアなサウンド

 まずはネットワークに接続したNAS(QNAPの『TS109』)の音源を再生したところ、ノイズレベルが極端に低く、とてつもなくピュアなサウンドを聴かせてくれた。また無音部分が限りなく静かなので、その分ダイナミックレンジが広がり、おかげで抑揚の強弱がとても幅広く感じる。その階調も細やかなため、いつも聴き慣れた演奏とは思えない、スケール感の大きい演奏が楽しめるのだ。


 モーターなどの動作部品がない(振動や磁気による音質の劣化が極端に少ない)ことから、CDプレーヤーなどに対し音質的にはかなり有利といわれるネットワークオーディオプレーヤーだが、なかなかのレベルである。

「Pioneer ControlApp」の画面

 次にUSB DACのサウンドも確認した。こちらはネットワーク再生に比べると多少SN感は劣るが、それでもN-50らしいピュアサウンドは充分に確保されており、キレのよいダイナミックサウンドは健在だ。両者の差は、楽曲の収納場所のクオリティーによるものと思われる。PCをオリオスペック「canarino1」など、音楽再生に特化した製品に変えると、両者の差はかなり縮まってくる可能性が高い。

 「Hi-bit 32 Audio Processing」のオンオフは、好みで使えばよいレベル。音にすると柔らかで抑揚の細やかな表現になるが、オフにしたときのダイレクトかつピュアサウンドもいい。個人的には後者をメインに使いたいが、曲調や気分によってこまめに切り替えるのもよいかもしれない。

 このように、N-50はその機能性以上に、音の良さが魅力となっている製品だ。あまりにあけすけなサウンドのため、人によっては「もうちょっと柔らかい音がほしい」と感じるかもしれないが、それはアンプやスピーカーで求めればよいことだ。「N-50」は、プレーヤーとしての基本に忠実な、素晴らしい製品といえる。ネットワークプレーヤーやAVアンプなど、ネットワーク再生機能を持つ製品を探している人には、第1候補に挙げてほしい秀作だ。

音質評価  
解像度感 (粗い−−−○−きめ細かい)
空間表現 (ナロー−−−−○ワイド)
帯域バランス (低域強調−−−−○フラット)
音色傾向 (迫力重視−−−−○質感重視)
前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.