まずはネットワークに接続したNAS(QNAPの『TS109』)の音源を再生したところ、ノイズレベルが極端に低く、とてつもなくピュアなサウンドを聴かせてくれた。また無音部分が限りなく静かなので、その分ダイナミックレンジが広がり、おかげで抑揚の強弱がとても幅広く感じる。その階調も細やかなため、いつも聴き慣れた演奏とは思えない、スケール感の大きい演奏が楽しめるのだ。
モーターなどの動作部品がない(振動や磁気による音質の劣化が極端に少ない)ことから、CDプレーヤーなどに対し音質的にはかなり有利といわれるネットワークオーディオプレーヤーだが、なかなかのレベルである。
次にUSB DACのサウンドも確認した。こちらはネットワーク再生に比べると多少SN感は劣るが、それでもN-50らしいピュアサウンドは充分に確保されており、キレのよいダイナミックサウンドは健在だ。両者の差は、楽曲の収納場所のクオリティーによるものと思われる。PCをオリオスペック「canarino1」など、音楽再生に特化した製品に変えると、両者の差はかなり縮まってくる可能性が高い。
「Hi-bit 32 Audio Processing」のオンオフは、好みで使えばよいレベル。音にすると柔らかで抑揚の細やかな表現になるが、オフにしたときのダイレクトかつピュアサウンドもいい。個人的には後者をメインに使いたいが、曲調や気分によってこまめに切り替えるのもよいかもしれない。
このように、N-50はその機能性以上に、音の良さが魅力となっている製品だ。あまりにあけすけなサウンドのため、人によっては「もうちょっと柔らかい音がほしい」と感じるかもしれないが、それはアンプやスピーカーで求めればよいことだ。「N-50」は、プレーヤーとしての基本に忠実な、素晴らしい製品といえる。ネットワークプレーヤーやAVアンプなど、ネットワーク再生機能を持つ製品を探している人には、第1候補に挙げてほしい秀作だ。
音質評価 | |
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解像度感 | (粗い−−−○−きめ細かい) |
空間表現 | (ナロー−−−−○ワイド) |
帯域バランス | (低域強調−−−−○フラット) |
音色傾向 | (迫力重視−−−−○質感重視) |
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