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年末商戦向けテレビ総括(2) デザイン重視? 画質に技あり“Wooo”「L46-S08」本田雅一のTV Style(1/2 ページ)

» 2011年11月14日 16時12分 公開
[本田雅一,ITmedia]
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 前回に続き、2011年の年末商戦で注目したいテレビを取り上げていこう。この連載で繰り返してきたように、テレビ市場は小さくなるだけではなく二極化が進んでいく。おそらく、みなさんが量販店で目にする製品の大部分が、価格を重視したものになっていくだろう。

日立コンシューマエレクトロニクスの“Wooo”「L46-S08」。11月中旬発売予定

 と、それはともかく、先週の続き。各社のテレビを次々に視聴していくと、意外なところで素晴らしいテレビと出くわした。日立の“Wooo”「L46-S08」である。

 日立のテレビはここ数年、大幅に画質と機能が良くなってきており、とくに昨年末の「ZP05シリーズ」は出色の出来だった。独自に組み上げたパネルブロック型の薄型バックライトは、小さなパネルブロック単位でバックライトの明るさを調整できる。

 それだけならば、もちろん他社製品も採用している技術(いわゆるローカルディミング)だが、日立のやり方(彼らはS-LEDと名付けている)は薄型化と高画質化の両面でとても良い出来だった。実は同様の方式をLGエレクトロニクスも採用しているのだが、ローカルディミング制御はとても自然だ。

 さらに自動画質調整の「センサーオート」の振る舞いが適切で、一般的なテレビ番組、映画ともにその場に合わせた画質調整を絶妙に行ってくれる。超解像処理も、同様の処理を行う製品の中でも、トップクラスの自然かつ効果的なものだった。

 と、このあたりは以前にも書いた通りで、その良さは現在も衰えていない。が、驚かされたのは、これまでの日立とは少しばかり毛色の違うテレビを用意してきたからだ。日立の決断には良い面と悪い面、その両方が混在しているが、こと”画質”に限れば、L46-S08はZP05シリーズを圧倒している。

デザインと液晶パネルにも注目

 表面をヘアライン加工されたアルミボディーは、ロゴとエッジ部がダイヤモンドカットで仕上げられ、同じくアルミで美しく仕上げられたスタンド、ナローベゼルのシンプルなデザインが与えられている。こう言ってはなんだが、日立製品とは思えないミニマルデザインに、まずは驚いた。しかし、今年も継続モデルとして販売されるZP05とS08の一番の違いは画質。それも液晶方式の違いに起因する画質と特長の変化だ。

直線を基調としたデザイン。正面にはヘアライン加工、側面は独特のサンドブラスト加工を施した。エッジ部のダイヤモンドカットにより、「見る角度によって多彩な表情を楽しめる」(日立)という

 一部の低価格モデルを除くと、日立の液晶テレビはIPS方式の液晶パネルが採用されてきた。視野角が広く、ファミリーがリラックスしながら、思い思いの場所でテレビを見るにはIPSの方が好ましい。それに、かつてIPS方式を生み出したのが日立だったという自負もあるのではないだろうか。しかしIPSにはコントラストが低いという弱点がある。

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