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“ただし書き”の少ない3番組録画、ソニー「BDZ-AX2700T」を試す(2/3 ページ)

» 2011年11月28日 19時25分 公開
[野村ケンジ,ITmedia]

ネットワーク機能も充実

 ネットワーク機能も充実している。標準で有線LANを搭載するほか、別売で無線LANにも対応。DLNAの「ソニールームリンク」対応のテレビやPCを、LAN経由で接続することによって、録画した番組を他の部屋で試聴することができる。それも、本体で番組を再生中に他の部屋で別の番組を見られる“2番組同時再生”が行えるため、かなり便利だ。一方、少し残念なのは、外付けHDDに録画した番組は直接ネットワーク経由で再生することができないこと。もちろん内蔵HDDにダビングしておけば問題はない。

 ネットワーク関係で忘れてはいけないのが、「レコ×トルネ」だ。BDZ-AX2000の世代から対応したもので、録画予約や再生を「torne(トルネ)」から操作することができる。例えばリビングルームにレコーダー、自室にPS3とトルネが置いてある場合、ネットワーク経由でトルネからレコーダーに対して録画予約を行ったり、レコーダーで録画した番組を再生することができる。地上デジタルチューナーしか搭載していないトルネでも、BDZ-AX2700Tのようなレコ×トルネ対応レコーダーと組み合わせれば、BSやCSを録画して楽しめるのだ。

「レコ×トルネ」の接続イメージ。地上デジタルチューナーしか搭載していないトルネでもBSやCSの番組が楽しめる(出典:ソニー)

 ほかにもBDZ-AX2700Tでは、「スカパーHD!録画」(別体チューナーが必要)やLAN経由でのCATV録画にも対応(対応するSTBが必要)。またスマートフォンやiPhoneなどからも、ソネットエンタテインメントが運営するサービス「Gガイド.テレビ王国 CHAN-TORU」を利用することで、録画予約が行えることも注目だろう。加えてAndroid用アプリ「Koe-Kara」を使えば、「○○くん(愛称や略称)が出る月曜の夜のドラマ」「今日のバラエティ番組を探して」というあいまいな音声入力から番組候補を表示、対話形式の検索/録画予約ができる。どちらもノンサポートのβ版アプリだが、上手く活用すればなかなか便利に使えそうだ。

こだわりの映像クオリティー

 フラッグシップだけに、映像クオリティーにはかなりのこだわりを持っているようだ。

BDビデオを再生中。画面は「アンジェラアキ My Keys 2006 in 武道館(ESXL-2/6090円)」(左)。Blu-ray 3Dを再生するときは画面サイズを選ぶと視差が最適化される(右)

 映像エンジンには、3D対応の高画質回路「CREAS Pro」を搭載、3D映像の視差情報を解析して自然な立体感を表現する「3Dエンハンス」、シーンの明るさによって最適なコントラスト補正を行う「コントラストリマスター3D」、黒浮き・白沈みによる見づらい映像のコントラスト補正を行う「コントラストリマスター」、グラデーション部分をなめらかにしつつディテールをくっきりと高精細にする「HDリアリティー エンハンサー」など、さまざまな画質向上機能を採用している。またデータ圧縮時に失われた色信号を補完、にじみを抑えた美しい映像を再現する「新クロマアップサンプリング」や、アニメ映像を原画の色彩に近づけつつ輪郭ノイズを除去する「新アニメ・CGリマスター」など、既存の高画質化システムもさらなる洗練が進められている。

 実際の映像を見ると、確かに精細感が高い。輪郭のキレがよく、それでいて階調表現が細やかなので、空間的な拡がり、とくに奥行き感がとてもリアルに感じられる。それはBDビデオ等の映画だけではなく、録画したテレビ番組もしかり。1080/60pプログレッシブハイビジョン出力を使わなくても、山の風景を映し出すシーンなどでは、奥行き感をリアルに感じ取れる壮大なスケール感をもつ映像を楽しむことができた。

 この精細感によってもう1つ、利点が生まれている。それは、動画表示性能のクオリティーアップだ。今回の視聴にはわが「ミニマムシアター」のHDプロジェクター、ビクター「DLA-HD1」を使用したのだが、比較的動画に強いD-ILAデバイスとはいえ、倍速処理機能のない製品であり、横スクロールなどのシーンはボケ気味の映像となってしまう。しかし「BDZ-AX2700T」からの映像は、高精細化のおかげもあって、かなりボケ感が押さえ込まれていた。これは意外な発見だ。もしかすると、旧世代の液晶テレビなどともそこそこ相性がいいのかもしれない。

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