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明るい3Dにワイヤレス! エプソン「EH-TW8000W」を試す(2/3 ページ)

» 2011年12月20日 19時25分 公開
[野村ケンジ,ITmedia]

一目瞭然(りょうぜん)、暗さを意識させない明るさ

 それは、実際の映像を見てみるとはっきりと分かる。もともとエプソン製プロジェクターはかなり明るい、と先ほども書いたが、3Dグラスをかけても2Dとあまり変わらない印象の、端的にいえば「暗さを感じない映像」を楽しむことができる。しかもうれしいことに、クロストークも皆無といっていいレベルに達している。3D映像の表現力に関しては、これが初の3D対応機とは思えないほど、明らかに一歩進んでいる印象だ。

1つ同梱(どうこん)される専用3Dメガネ。電源ボタンは下側にある

480Hz駆動の新パネルと新開発の駆動方式により、書き換え時の左右映像の混在する時間を短縮。メガネのシャッターを開ける時間が増え、画面は明るくなった。240Hz駆動に対して約1.5倍の明るさを実現

 一方、2D映像に関しても、さらに進化した印象だ。D9世代の液晶パネルは、従来よりも開口率を向上させて画面を明るくしながら、黒浮きの少ない漆黒表現を可能にする「DEEPBLACK」やオートアイリスのさらなる進化による高コントラスト化、超解像技術の搭載やフレーム補完による高精細化/動画性能の向上により、さらに美しく、滑らかな映像を実現している。

2D映像を試聴中。「アンジェラアキ My Keys 2006 in 武道館(ESXL-2/6090円)」を表示したところ

 とくに黒表現には相当こだわったようで、透過型とは思えない自然な、沈み込みの深い黒が表現できている。黒近くの粘りもよく、薄暗いシーンでもべったりせず、上手く階調が再現できていた。ただし、暗部に比べて中間調の表現がいまひとつ。階調がややデジタル的というか、微妙なニュアンスが表現し切れず、少々荒々しい印象を与えてしまう。調整項目によってある程度は解消できるものの、画竜点睛を欠く部分であるのは事実。今後のさらなる熟成に期待したいところだ。

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