iPhone/iPod touchに対応するコントロール部は、3ボタン式を採用する。操作感はかなりカッチリしており、使いやすい印象を持った。それにしても、トランペットのピストンバルブが3つであることに気がつき、それをコントロール部にデザインした製品企画担当者のセンスには感心させられた。このしゃれっ気だけでも、買おうと思う人が現れそうだ。
なお、マウスピースの中心部分が解放されているため、多少の音漏れはあるものの、それほど盛大ではない。ボリュームに気を遣いさえすれは、野外での使用もまず問題はないだろう。
そのサウンドは、エネルギッシュで抑揚感がかなり高いイメージ。スピード感があり、キレもよいので、グルーブ感がかなり高い。思わず体が動いてしまいそうな、ノリの良い演奏が聴ける。いっぽうで、アコースティックギターの胴鳴りがふくよか、ヴォーカル(とくに男性)も胸板の厚みを感じる響きの深さもあるので、情緒感も高い。帯域バランス的には、かなりの中域重視だといえ、そのあたりは第1弾のサウンドに近いイメージかもしれない。
しかしながら第1弾と決定的に違うのは、音楽ジャンルに対する汎用性の高さだ。ピアノの音などを聴くと、独特の個性ある響きがのるが、あくまでも“個性”の範ちゅうに留まる程度で、演奏本来のバランスを崩してしまうことはない。そのため、ジャズだけでなくハードロックやヒップホップ、Jポップまで、結構なんでも“いける”のだ。これは、ジャズ(特にブラス系の良さ)に特化したイメージの強かった第1弾とは大きく異なる部分。iPhone/iPod touchコントローラーが付いたことからも分かるように、より多くの人をターゲットとしたため、こういったサウンドチューニングに仕上げられたのかもしれない。
それでも、トランペットの鋭さ、音の力強さはその名に恥じない魅力があるし、ジャズが最も気持ちよく聴ける音楽ジャンルであるのも確か。やや薄味になったとはいえ、「マイルス・デイビス」ならではの、いちどハマると抜けられなくなる強烈な魔力はかわらず健在なので、試聴の際は“ハマり過ぎない”よう十分に注意してほしい。
音質評価 | |
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解像度感 | (粗い−−−○−きめ細かい) |
空間表現 | (ナロー−−−○−ワイド) |
帯域バランス | (低域強調−−○−−フラット) |
音色傾向 | (迫力重視○−−−−質感重視) |
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