コラム
» 2012年01月20日 13時57分 UPDATE

2012 International CES:メーカーに温度差のある“スマートテレビ”――CESまとめ(後編) (1/2)

「2012 International CES」では、スマートテレビの展示も多く、来場者の注目度も高かった。ただ、代表格であるはずの「Google TV」をプッシュする展示は少なく、独自プラットフォームやデバイス連携のほうが目立っていた。

[鈴木淳也(Junya Suzuki),ITmedia]

 新しいパネル技術で大きく盛り上がった「2012 International CES」だが、一方で当初大きく取り上げられていたものの、実際の展示の段階になってはそれほど盛り上がらなかったと感じられたのが「Google TV」だ。2011年秋にAndroid Marketへの接続機能がサポートされた第2世代Google TVは、CES開催直前の1月初旬の発表で新たにLG、Samsung、Vizio、Marvell、MediaTekの参入が発表されている。

ts_matome013.jpgts_matome014.jpgts_matome015.jpg 第2世代Google TVではIntelとLogitechが撤退し、代わりにTVメーカーとしてはLG、Samsung、Vizioが、チップセット供給メーカーにはMarvell、MediaTekが新たに参入した。第1世代のGoogle TVはIntelの提供するAtomベースのx86プロセッサをコアに利用していたが、おそらく第2世代ではすべてARMベースのものへと置き換わることになるだろう。MediaTekはミッドレンジ以下をターゲットとした携帯電話向けチップセット供給で知られており、おそらく価格レンジを引き下げることが第2世代以降の主眼だと考えられる。Marvellはその上位をカバーする製品を提供するとみられ、「第1世代の(ボックスだけで400ドル前後)という価格帯よりは安くなる」(Marvell)と説明していた。写真はMarvellが提供するリファレンスモデルだ

 一方、第1世代Google TV「Revue」の大量在庫による損失を抱えたLogitechが事実上の撤退を表明したほか、戦略転換でIntelがチップセット供給から降りている。そのため、第2世代Google TVではMarvellとMediaTekの2社がARMベースのプロセッサを供給するスタイルへと移行するとみられ、今後ソニーを含む関係各社は、これら2社のチップセットを利用する形になるだろう(LGは“L9”という独自のチップセット利用を表明している)。興味深いのは、Marvellが提供するデュアルコアのARMプロセッサの原型になっているのは、以前にIntelが同社に売却した「Xscale」(旧名:StrongARM)であり、皮肉にもIntelに代わってMarvellがチップセット供給を引き受ける格好になったわけだ。

 さて問題のGoogle TVだが、正直なところCESでの展示は微々たるもので、来場者の反応もそれほど芳しくなかった印象だ。CES開始直前にプレスや関係者向けの「Unveiled」という展示会が開催されていたのだが、そこでもMarvellの展示していたGoogle TVのリファレンスに関する取材を行っていた報道関係者は少なく、それほど注目されていない印象を受けた。実際に製品展示を行っていたのも第1世代から製品提供を行っているソニーとLGのみで、参入を表明したはずのSamsungからはとくにアナウンスがなかったほどだ。メーカー側も“数ある展示の1つ”といったスタンスでGoogle TVに望んでいるようだ。

ts_matome016.jpgts_matome017.jpgts_matome018.jpg LGブースでのGoogle TVの展示。だが主役的扱いはされておらず、あくまで数ある展示の1つといった印象。正直なところ、CESでのプレゼンスを見る限り、家電メーカー各社の間でのGoogle TVに対する扱いはかなり低いとみられる(左)。一方、今回はGoogle TV製品を発表しなかったSamsungでは、IFA 2011に引き続きスマートTVに関する大量展示が行われていた。アプリやコンテンツの話題が中心で、独自プラットフォームながらこれらコンテンツの豊富さがセールスポイントだとアピールしているようだ(中、右)

 だが、“スマートテレビ”そのものに対してメーカーが冷たいわけではなく、むしろSamsungやパナソニックなどは積極的にスマートテレビを前面に押し出した展示を行っていた。Samsungはアプリとコンテンツ、パナソニックはデバイス間接続を主眼としているなど多少の違いはあるが、展示スペースから判断してもスマートTVが今回の主役の1つである点は間違いない。実際、各コーナーで積極的に展示員に質問を投げかける様子が見られたのもスマートテレビコーナーで、来場者の関心はそこそこ高かったように思う。

ts_matome019.jpgts_matome021.jpgts_matome022.jpg パナソニックのスマートテレビの特長は、単にアプリやコンテンツだけでなく、「VIERA Connect」という仕組みで機器間のネットワーク接続に重点を置いた点にある。マイクやカメラといった基本デバイスからルームランナーまで、周辺機器で拡張が可能となっている。タブレットや小型テレビとの連携や、リモコン操作などの機能をアピールしている点も特長だ。またSkypeやMySpaceなどのコミュニケーションサービスを重視している

ts_matome024.jpgts_matome025.jpgts_matome026.jpg Samsungでは、隠れたヒット商品となっている「Galaxy Note」をプッシュし、これをスマートデバイス戦略の一部としてプッシュしようとしている。折しも、米国では初のLTE対応版となるGalaxy NoteがAT&T向けにリリースされる発表が行われており、屋外広告でも大々的にアピールしていた。またスマートTVを使った提案型ソリューションなど、少し面白い展示が見られたのもSamsungブースの特長だ

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