アプリを起動すると、自動的にポケットサーバーを認識してくれる。コンテンツ一覧表示から階層をたどって再生したいコンテンツを選択すれば再生開始だ。ディーガからコピーした番組は、「VIDEO」内の「SD-VIDEO」ディレクトリに保存されており、録画時の番組名で一覧表示される。一覧にサブタイトルが含まれていなかったため、シリーズ番組の異なる回を一緒にダビングすると順番が分からなくなる点は気になったものの、一覧では録画の古い順に並ぶため、さほど困ることはないだろう。
再生時の操作はiPhoneやiPodの標準動画プレーヤーに準拠しており、縦位置横位置どちらでも再生できる。またフルスクリーン(縦方向基準で横方向がはみ出す場合サイドカット)表示も可能だ。シークバーで再生位置の移動にも対応しており、バッファリングが済んでいる位置への移動なら即座に、バッファリングが済んでいない部分に移動しても、早ければ1秒以内で再生が再開された。
また、直近に再生した番組に対してのみだが、レジューム機能もサポートしており、アプリを一度終了しても直前に見た動画を再生すると、前回見ていたシーンの続きが再生された。モバイル動画プレーヤーに求められる機能は十分に備えているといえる。欲をいえば、地上波放送を持ちだして再生するのだから、30秒スキップがほしいところだ。
今回はiPhone4を使用して視聴したが、画質面でまったく不満はない。テロップなどもほぼ問題なく読み取れるし(個人差はあると思うが)、ブロックノイズなどを感じることも皆無だ。3GS以降のiPhoneやiPadはMPEG4 AVC(H.264)の再生時のハードウェアアシストが強力で、フルHD解像度まで難なく再生できてしまうのだから、ワンセグ画質をあえてサポートしなかったのは、やはり正解だと思う。
前述の通り、バッテリー駆動時間はカタログスペックで約10時間となっているが、実測でも満充電から9時間35分ほど動作した。カタログスペックにはわずかに満たなかったものの、寒い時期に夜間を含めて計測したことが影響しているのだろう。また、当然ながら一緒に利用していたiPhone4の方が先にバッテリーが切れ、充電しながら再生を続けることになった。少なくともポケットサーバーのバッテリー駆動時間に関しては必要十分といえる。
ポケットサーバーの機能としてはおそらくオマケ的になると思うが、SDメモリーカードに保存したコピーフリーの動画ファイルやMP3ファイル、静止画などもiPhoneで再生できる。ちなみに再生可能なのはiPhone、iPadの標準機能と同じくMP4ファイルとなるが、筆者のiPhone4ではMPEG4/AVCフォーマットのフルHD解像度(H264 HighProfile4.1、1920×1080ピクセルのプログレッシブ)までなんなく再生できた。
検証に利用したのは平均4Mbps程度の動画ファイルだったため、人の多い街中などでは無線LANの混雑次第かもしれないが、少なくとも本機の送り出し能力はかなり高いといえそう。iTunesを使ってiPhoneの内蔵メモリに転送した場合と比較して再生フォーマットなどが増える訳ではないが、動画ファイルはどうしてもファイルサイズが大きくなりがち。iPhoneやiPadの内蔵ストレージを消費しないという点でもポケットサーバーを利用するメリットは大きい。
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