番組再生時の機能は標準的だ。自動チャプターのような機能こそ備えていないが、7段階の「早戻し/早送り」と「音声付き1.5倍速再生」、さらに「30秒スキップ」と「10秒戻し」を備えている。個別録画した番組については、前回再生を停止した位置からの続き再生(レジューム)も可能だ。早戻し/早送りから再生への移行時に0.5秒ほど間が空くことがまれにあったものの、ほかの動作はおおむねキビキビしている。
全録は、高画質(6Mbps)、標準画質(4Mbps)、低画質(2Mbps)という3段階の録画品質が選択できる。ただし、本機の“高画質”は、一般的なBDレコーダーの“標準画質”と思ったほうがいい。使い方にもよるだろうが、低画質はやはり情報量の低下に加えてシーンチェンジでの絵の乱れが目立つ。大画面テレビで使用する場合には、できれば標準画質以上で使いたいところだ。本機に限らず、デジタルハイビジョン放送で2Mbpsというビットレートは辛い画質になってしまう。
高画質モードでも、シーンチェンジ部分で乱れを感じることがあったが、手元のレコーダーでDR録画したものと比較してみると大抵の場合は放送波の時点でビットレート不足になっているものだ。そもそも6Mbpsというビットレートは決して高いとはいえないものの、不足するレベルではない。スポーツ中継などで高速にカメラがパンしたり、紙吹雪が画面を覆うようなシーンでなければ、大きな破たんは生じないはずだ。録画画質そのものは決して悪くないという印象だった。
ゼン録は、8ch同時録画のような“うたい文句”からイメージされるような複雑な製品ではなく、用途を絞ったシンプルなレコーダーだった。光学メディアやネットワークダビングもできないため、基本的には番組を“見る”ことにフォーカスしたレコーダーといえる。
したがって、既にBlu-ray Discレコーダーなどを所有していて、見るだけの番組と保存したい番組を明確に区別できる人に向いた製品といえる。BDレコーダーの場合は2番組同時録画がスタンダードなので、光学メディアに残したい番組だけBDレコーダーで録画すればいい。結果的にはBDレコーダーのHDDにも余裕が生まれるだろう。BDレコーダーを2台、3台と買い増ししていくくらいなら、本機を追加する方が、ずっと幸せになれるケースも多そうだ。
また、全録はヘビーな録画ユーザー向けと思われがちがだが、実際に使ってみると印象は異なる。どちらかといえば、ファミリー向けかもしれないと感じた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR