日本の場合、NHKが持っている3カ所のカメラ設置位置のうち、1つが3Dカメラに使われていたが、ロンドンではスーパー・ハイビジョンカメラを配置するために3Dカメラ設置は設置されず、記録としても残されないことが決まっているとのこと(残る2台の2Dカメラのうち、1台を3Dカメラにして片チャンネルを2Dで使えばいいと思うのだが……)。
と、このような状況のため、日本でこの話を聞くと温度差を感じるだろうが、欧州は北米に比べても3Dテレビのニーズが高いのだそうだ(サムスンが3D対応比率を上げていることも、3D比率が上がってきている理由のひとつかもしれない)。GfKは昨年に比べ、スマートテレビ比率は45%、3Dテレビ比率は122%増加するとの予想をしている(ワールドワイド合計)。
また、スマートフォンやタブレット端末の成長が、テレビ、PCなど他カテゴリーの市場を奪っているのではないかとの質問に、ハイテッカー氏は「15年前にはセットトップボックスが普及し、テレビは単なるディスプレイになると言われた頃もあったが、今、そのようなことにはなっていない。より良いスマートフォンやタブレットが欲しいというニーズもあれば、画質がよくデザイン性に優れたテレビが欲しい人もいる」と話し、テレビという商品カテゴリーがスマート化することはあっても、スマートフォン/タブレットとの市場の奪い合いはないとの認識を示した。
そしてテレビ市場以上に力を入れているのが、ホームアプライアンス、いわゆる白物家電である。このところ白物家電の市場は、金融危機の時期を除くと堅調に伸びており、財政破たんが懸念されるいくつかの国を除くと着実に成長しているという。2005年を基準にした場合の世界全体の売上げ金額が、2011年は170%まで成長した。
この流れを後押ししているのは、節水や節電といった”エコ機能”だ。日本では以前から進んでいるエコ家電への買い換え促進効果だが、欧州また全世界的な流れとして進んでいる。日本の家電メーカーの場合、日本の生活スタイルに極めて最適化されているが、エコ技術に関しては先進的な技術を持っている。
海外での白物家電の展開は、韓国メーカーがこの数年で積極展開しており、やや出遅れ感はあるものの、パナソニックが過去最大ブースを確保した背景には、黒モノ、白モノ、そしてそれらをトータルでつなぐクラウドと、従来より幅広いカテゴリーを扱う意図があるのかもしれない。
このように、従来のテレビという軸を、”スマート”と”3D”で強化した上で、白物家電を積極的にフィーチャー。またスマートフォンやタブレットのトレンドもキャッチアップすることで、IFAはさらに大きな展示会になるようだ(→関連記事)。
今年のIFAは、8月31日から9月5日まで。いつものようにベルリンで開催される。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR