PS3を所有していなくても、nasneに興味を持っている人は多いことだろう。Blu-ray Discレコーダーの値下がり傾向を考えると、手放しに「nasneが割安」とは言い切れないものの、nasneにはテレビが不要、省スペース、1台のみの導入ならやはり格安といった魅力がある。テレビの代わりにするDTCP-IP対応のDLNAクライアントが必要になるが、現状ではさほど高いハードルではない。リビングのレコーダーは家族に占領され気味なので自室に自分専用のレコーダーがほしい、なんていうお父さんたちには特に魅力的ではないだろうか。
PS3なしでnasneを利用する場合、導入時を含めて設定作業は全てWebブラウザからnasneのHTTPサーバに接続して行わなければならない。この時、少しだけ面倒なのはブラウザから接続する際、nasneのネットワーク名を確認すること。これは本体底面にシールで記述されているので、設置前に必ず確認しておきたい。ブラウザからの設定作業はPS3で「torne」を利用する場合とあまり変わらず、最低限地域設定やチャンネルスキャンを行えば利用可能になる。スマートフォンだけだとちょっと操作に手間取りそうだが、PCかタブレットならサクサクっと済ますことができそうだ。
録画予約や管理、録画番組の管理などは前述の「CHAN-TORU」を利用することになる、というか、それ以外に選択肢はない。とはいえ、電子番組表は「torne」以上に快適ともいえるし、すべての操作がほぼリアルタイムで処理されるので、そもそもインターネット経由で操作していることを感じない。下手なDVD/BDレコーダーよりずっと快適ともいえる。
一方、ハードルが若干高くなるのは録画番組の再生だ。Windows PCの場合は、DTCP-IP対応のDLNAクライアントソフトが必要。これがバンドルされるメーカー製PCの一部を除けば別途購入が必要だ。また、1920×1080ピクセル/1440×1080ピクセルのMPEG2やMPEG4/AVCコーデックの動画が再生できるスペックも必要なので、概ねCore2Duo世代以降のCPUが必要と思った方がいい。また、ノートPCの場合ほぼ気にする必要はないものの、デスクトップPCの場合はPCとディスプレイをHDCP対応のデジタル接続(HDMIもしくはHDCP対応のDVI)でなければならない。もちろん、このあたりはDTCP-IPで暗号化された映像コンテンツ再生時の制限であり、nasne固有の制限ではない。
今回は単体販売も行われている「DiXiM Digital TV Plus」と、一部の東芝製PCにバンドルされる「RZプレイヤー」を利用してみたが、どちらかでも問題なくnasneの録画番組を再生できた。フォルダでの階層表示か行われ、番組のジャンル別・日付別表示も有効で、「すべて」を選べば全録画番組の一覧も行える。どちらのソフトも並べ替えにも対応しているため、番組名順はもちろん最新の録画番組を先頭にもってくるといった一覧表示も可能だった。「DiXiM Digital TV Plus」は全てのDLNAサーバの録画番組を一括表示することもできるため、複数のnasneにある録画番組の一括表示も可能。nasne以外のDLNAサーバのコンテンツも混ざることになるが、さすがにこの点は専用ソフトではないので仕方のない部分だろう。
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