見どころシーン再生でも、検索結果に出た番組が録画されていなければあまり意味がないため、クラウド側であらかじめ絞り込みをかける。環境による差異をクラウドが吸収し、ユーザーに手間はかけない。
「クラウド側でできることが多くてタイヘンです。例えば、このユーザーインタフェースは、すべてHTMLで書いているため、デザインの変更も容易。今は地味なデザインですが、近いうちにもっとリッチにするつもり」(片岡氏)。
各種サービスの中でも「今回、力を入れたのはタグリストと“みどころシーン再生”」という片岡氏。TimeOnの「シーンリスト」は、東芝がパートナー企業から提供されるリッチな番組メタデータであり、「RZタグラー」でおなじみの「タグリスト」と同様に扱えるという。これはつまり、最新のスマートテレビやBlu-ray Discレコーダーで導入が進んでいる番組メタデータのサービスを、旧来のRDシリーズユーザーも利用できることを意味している。
「TimeOnという、全く新しいものがポンと出たわけではありません。このテレビ(Z7/J7シリーズ)を買わないと使えないと多くの人が思うかもしれませんが、旧来のユーザーにも注目してほしいです」と片岡氏。なお、料金は発生しない。
また、「メッセージ」や「カレンダー」は、コンパニオンアプリ「RZクラウド」(10月下旬から無償配布、Android 4.0以上)を通じて手元のタブレットからも操作できる。RZクラウドは、同社の「REGZA Tablet」だけでなく、他社製のAndroidタブレットでも使用できる。つまり、RDシリーズとAndroidタブレットがあれば、最新のレグザがなくても、かなり便利に使えるはずだ。
ただし、既に触れたように面白いシーンを教えてもらっても、手持ちのRDシリーズに該当する番組が録画されていなければ再生できない。このため、実際に使い始めたら改めてタイムシフトマシン(全録)のメリットを感じることにもなりそうだ。「使ってみて興味がわいたら、新しいREGZAも買ってください」(片岡氏)。なるほど。
10月下旬にスタートする予定のTimeOn。また今後の計画として、2013年1月下旬をめどに“テレビを起点としたSNS機能”を提供するほか、興味のあるキーワードを選択するだけで関連番組を自動的に録画予約する「おまかせ録画」サービスなどを計画している。なお、FacebookやTwitterなど既存SNSとの連携については「検討中」と話していた。
「他社製スマートテレビのアプローチは、いわば機能的な足し算。対してTimeOnは、すべての機能が複雑に融合した“ワールド”を作ります。アイコンの1つ1つが単なるアプリではなく、それぞれを繋ぐ仕組みを持ち、連携して動く。どのようにサービスを行き来できたらもっと便利に使えるか? その設計図は、すべて私の頭の中に入っています」という片岡氏。「頭の中が、完全にオブジェクト指向(オブジェクト思考?)なんです」と笑った。
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