では試聴しよう。今回はプレーヤーに第5世代iPod touchを用い、アンプはCarot One「ERNESTOLO」、スピーカーはELAC「BS52.2」のシステムで行う。
これは、なかなかのクオリティだ。デジタル接続に非同期モードの採用、電源部や回路設計に対する配慮など、徹底した音質向上の工夫が効いていると思われ、ていねいな表現でしっとりとしたサウンドが楽しめる。特に解像度感が高く、広がり感をより感じる演奏を聞かせてくれる。
SN感や音色傾向についてはプレーヤーに依存するところも大きいので完ぺきとはいわないが、それでも標準状態とはかなりレベルが違う。また、第3世代iPod touchでも同じ音源を再生したが、抑揚が豊かな第3世代に対し、第5世代は解像度感が高いながらやや荒々しさが感じられるなど、iOS機器の種類によっても音の違いが分かるようになる。
さて、iOS機器はiPhone 5を皮切りに、これまでの30ピンDockコネクタから8ピンのLightningコネクタに刷新される。これらLightningコネクタ搭載モデルはどうか。筆者が試したところでは、本機はひとまず純正のLightningーUSBケーブルを用いて問題なく利用できた。
Lightningコネクタはアナログオーディオデータが出力されない。このため、Dockコネクタを搭載し、本体を直接差してアナログオーディオデータを活用するタイプのオーディオ機器などはDockコネクタをLightningコネクタに変換(かつDAC機能を備え、アナログオーディオデータを出力)する「Lightningー30ピンアダプタ」を用いる必要が生じる。ただ、USB Standard-A端子へのデジタル入力をサポートする本機は基本的にLightningーUSBケーブルさえあれば対応できる、ということになる。
iStreamerは、やはり素直で上質なサウンドに向上するのが魅力。iPhoneやiPod touch、iPadをベースに、自宅で高音質に音楽を楽しみたい人に非常に魅力的な製品になるはずだ。
音質評価(第5世代iPod touchと接続) | HRT「iStreamer」 |
---|---|
解像度感 | (粗い−−○−−きめ細かい) |
空間表現 | (ナロー−−○−−ワイド) |
帯域バランス | (低域強調−−○−−フラット) |
音色傾向 | (迫力重視−○−−−質感重視) |
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