ITmedia NEWS >

ハイレゾ音源からWOWOWまで、ヤマハの高級AVセンター「RX-A3020」を徹底活用山本浩司の「アレを観るならぜひコレで!」(2/3 ページ)

» 2012年11月15日 17時30分 公開
[山本浩司,ITmedia]
※本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

 まず、ネットワークオーディオ再生時の音質からチェックしてみる。RX-A3020にLANケーブルをつなぎ、自室のNASに収めた愛聴デジタルファイルをいくつか聴いてみた。とくによかったのが、「キス・オン・ザ・ボトム/ポール・マッカートニー」の96kHz/24ビットFLACファイル。このハイレゾファイルで聴けるボーカルやアコースティック楽器の温かな質感を伴ったリアルな再現性に思わずニヤリ。とくに本機の「ピュアダイレクト」モードの音質は、きわめてレベルが高い。

思わずニヤリ

 同社には「NP-S2000」という専用ネットワークオーディオプレーヤーが存在するが、対応レゾリューションの違いこそあれ、その音に肉薄する見事なパフォーマンスではないかと思う。AVセンターのネットワークオーディオ再生機能ってオマケみたいなもんでしょ、とお考えのオーディオ愛好家も多いと思うが、ぜひ一度本機のハイレゾ・サウンドを体験していただき、おおいに驚いてほしいと思う。

WOWOWのライブ放送にも効果的な「ミュージックエンハンサー」

 そういえば「キス・オン・ザ・ボトム」が収録されたハリウッドの「キャピトルAスタジオ」に少人数の聴衆を入れて、この作品のレコーディング・メンバーを伴ったポールのスタジオ・ライヴがこの夏WOWOWで放送されたけれど、その番組をエアチェックしたBD-Rがあったナ……ということで、さっそくそのディスクをBDP-95で再生してみる。

 リラックスした演奏が素晴らしく、モノクロ映像の雰囲気もたいへんよいのだが、先に聴いたハイレゾファイルに比べると、高圧縮のAAC音声は低音が痩せた頼りなく、さびしいサウンドに聴こえる。そこで、本機の「ミュージックエンハンサー」機能をオンにしてみた。するとどうだろう、イントロのダブルベースがもりもりと元気を取り戻し、ポールのボーカルにも腰の座った力強さが加わってくるではないか。入力信号を周波数分析して低音と高音のエンハンス効果を加えるこの機能、WOWOWなどの映画・音楽番組にきわめて有効。ぜひ積極的に使いたいと思った。

 本機は、CDなどの非圧縮音声を96kHz/24bit分解能にまで拡張処理できる「ハイレゾリューション・ミュージックエンハンサー」機能も搭載する。実際に試してみたが、その効果は万能とはいえない。個人的には圧縮音声に効くミュージックエンハンサーのほうにより魅力を感じる結果となった。

「ジョイフル♪ノイズ ブルーレイ&DVDセット(初回限定生産)」は3980円で販売中。販売元:ワーナー・ホーム・ビデオ (c)2012 Warner Bros.Rnt.All Rights Reserved.

 では次に、映画Blu-ray Discを再生してみよう。アメリカ南部のさびれた街のゴスペル合唱団の活躍を描く「ジョイフル♪ノイズ」(ワーナーホームビデオ)を観る。クイーン・ラティファ、ドリー・パートンというヴェテラン実力派黒人&白人シンガーを配した、音楽好きにはとても面白い映画だ。マイケル・ジャクソンの名曲「マン・イン・ザ・ミラー」を練習するコーラス隊の様子をピュアダイレクトと「ストレートデコード」の両モードで聴いてみた。

 ともに声の質感に優れた押し出しのよいサラウンドサウンド。じっくり聴き比べると、前者のほうが細かな効果音をよく拾う情報量指向の音に、後者は情報量ではやや劣るものの、よりスムーズでいっそう聴きやすい音に感じられる。前者はDSP内のデコーダー回路のみを通るモード、後者はDSP内のYPAO R.S.CのPEQで周波数補正した結果が反映されたモードとなる。ちなみに本機のPEQには「フラット」「フロントに近似」「ナチュラル」「使用しない」の4つのモードが用意されているが、今回はその部屋固有の初期反射音のクセを制御する「フラット」を選んだ。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.