このように「MXH-DBA700」と「MXH-DD600」は、兄弟モデルではあっても上下関係というわけではなく、双子のような並び立つポジションにある存在といえる。それぞれに魅力的な個性を持つため、どちらが自分にとってのベストかは、実際に試聴して選び出すのが賢明だ。
しかしながら、両モデルに共通する魅力もある。それは、コストパフォーマンスの高さだ。デュアルドライバの「MXH-DD600」、そして「MXH-DBA700」にいたってはBAとダイナミックのハイブリッド構成を採用しながらも、それぞれ8000円前後、1万円前後というプライスタグは破格といえる。そして何よりも、スペックだけでなく実際のサウンドも価格を凌駕するクオリティーを持ち合わせていた。
マクセルといえば、カセットテープ時代から音質にこだわり続けているメーカーだが、この「MXH-DBA700」「MXH-DD600」からは、ハイエンドオーディオカテゴリ向けに新たなシンボルマーク「m」(エム)を用意し、さらなる高音質の追求に乗り出すという。その第1弾モデルにふさわしい、どちらも十分以上の魅力を持つ製品だ。
型番 | MXH-DBA700 | MXH-DD600 |
---|---|---|
ドライバー構成 | 密閉バランスド・アーマチュア型×1、8ミリ径ダイナミック型×1 | 6ミリ径ダイナミック型×1、8ミリ径ダイナミック型×1 |
音圧感度 | 104dB/mW | 100dB/mW |
インピーダンス | 16オーム | 8オーム |
再生周波数特性 | 20〜2万Hz | |
最大入力 | 200mW | |
コード長 | 1.2メートルY型(フラットタイプ) | |
プラグ | 3.5ミリステレオミニプラグ(L型、金メッキ) | |
質量(コード含む) | 約17グラム | 約16グラム |
カラー | ブラック | ブラック、レッド |
付属品 | 抗菌イヤーピース SS/S/M/L各2個(Mは本体に装着) | |
「目を覚ませ音楽人間」「RIDE ON TIME」、そして「いい音しか残れない」。アナログ時代にマクセルが使ったキャッチコピーには名作が多い。30代以上の人なら、懐かしさとともに当時のことを思い出すのではないだろうか。
ノイズが少なく、ダイナミックレンジが広い――そんな評価は知らなくても、カセットテープの“maxell”は安心ブランドだった。お気に入りの曲をダビングするときは、ちょっと背伸びをしてハイポジの「UD2」を使う。メタルは高くて手を出せないが、「UD2」の赤と金のパッケージは、特別な音を記録するのにふさわしい高級感だと思った。
そんな時代を過ごした人たちにとって、同社の高級ヘッドホン参入はうれしいニュースだろう。もちろんオーディオテープとヘッドホンを同列に並べることはできないが、“音へのこだわり”は共通。マクセルが掲げた新しいシンボルマーク「m」(エム)には縦に3本のラインが刻まれているが、これは過去・現在・未来の人を示し、左右に突き抜けるラインが音を表すという。時代は変わっても“音へのこだわり”を持ち続ける同社にエールを贈りたい。
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提供:日立マクセル株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia LifeStyle 編集部/掲載内容有効期限:2012年12月31日