そして何よりも、これだけのサウンドクオリティーを持ち合わせながらも、6000円前後という実売価格を実現しているというからうれしい。表現のダイナミックさではデュアルドライバー搭載の上位モデル「MXH-DD600」にゆずるが、聴き心地の良さではなかなかに良好だし、装着感の軽快さについても結構なアドバンテージを持ち合わせている。スタイリッシュで使い心地の良いボディデザインもいい。完成度の高い製品といえそうだ。
「MXH-RF500シリーズ」には「MXH-RF500」と「MXH-RF500S」という2つの製品バリエーションが存在する。違いはスマートフォン用のリモコンの有無とカラーバリエーションだ。
ユニークなのは、両モデルともケーブルが着脱できるようになっていること。着脱式ケーブルはハウジングの根元から外れるものが多いが、「MXH-RF500シリーズ」ではケーブルの途中(本体から約30センチ)に2.5ミリ径ステレオプラグがあり、ここで脱着が可能になっている。さらにスタンダードな「MXH-RF500」には約30センチと約90センチという2本のケーブルが付属していて、シチュエーションに合わせてケーブルを交換できるのだ。短いケーブルを使えばトータル60センチほどになり、胸ポケットにプレーヤーを入れた場合にちょうどいい。長いケーブルをつなげば1.2メートル前後となり、バッグや鞄にプレーヤーを入れる人に適した長さ。標準で2本とも付いてくるのだから、ちょっと得した気分だ。
一方の「MXH-RF500Sシリーズ」には、90センチの「リモコンコード」が付属している。リモコンは、スマートフォンに対応したもので、側面に直感的に扱えるアナログボリューム、正面の「m」マークの下にはマイクと「通話ON/OFF」ボタンが並ぶ。リモコンを見なくても操作に困らない配置になっていて、ハンズフリー通話も非常に楽だ。なお、リモコン部の背面にはクリップも付いており、上着のポケットなどに手軽に固定できる。
「MXH-RF500Sシリーズ」の付属ケーブルはリモコンケーブルのみで、長さ調整はできない。ただし、着脱部までの長さやコネクターは「MXH-RF500」と共通のため、そちらのケーブルを流用することはできる。逆もしかり。もし「MXH-RF500」にお気に入りのカラーがあり、スマートフォンで使いたいのであれば、「MXH-RF500S」のリモコンケーブルを組み合わせてオリジナルバージョンを作るのも面白そうだ。その場合はイヤフォンを2つ購入することになるが、1台6000円前後という価格ならアリだろう。
イヤフォンメーカーのスタンスはさまざまであり、海外メーカーの中には周波数特性よりも“イキイキした音色”を重視するメーカーもある。一方で、国内外問わず、迫力重視の重低音派が数多く存在するのも事実だ。そんな現状のなか、ミドルクラス製品であっても奇をてらわず、流行に流されず、オーディオ製品の王道といえる「フラット&ワイド」思想を守り、しっかりと体現しているという点で「MXH-RF500シリーズ」はとても貴重な製品だ。
今、こういった王道のサウンドは、ミドルクラスではなかなか手にすることできない。そうした視点からも、とても意義のある、魅力的な製品といえる。
型番 | MXH-RF500 | MXH-RF500S |
---|---|---|
型式 | 密閉ダイナミック型 | |
ドライバー | 10ミリ径ダイナミック型 | |
音圧感度 | 107dB/mW | |
インピーダンス | 16オーム | |
再生周波数特性 | 20〜2万2000Hz | |
最大入力 | 50mW | |
マイク仕様 | コンデンサー型、全指向性 | |
コード長 | 本体:約0.3メートル、延長コード:約0.3メートル、約0.9メートル(2本付属) | 本体:約0.3メートル、リモコンコード:約0.9メートル |
プラグ | ステレオミニ(L型、金メッキ) | ステレオミニ(L型、金メッキ、4極) |
質量 | 本体約8グラム(延長コード0.3メートルは約6グラム、0.9メートルは約9グラム) | 本体約8グラム(リモコンコードは約11グラム) |
カラー | ブラック(ブラック/レッド)、ホワイト(ホワイト/パープル)、レッド(レッド/ブラック) | ブラック(ブラック/シルバー)、ホワイト(ホワイト/シルバー) |
付属品 | 抗菌イヤーピース(S/M/L)※Mは本体に装着、延長コード2本 | 抗菌イヤーピース(S/M/L)※Mは本体に装着、リモコンコード |
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アイティメディア営業企画/制作:ITmedia LifeStyle 編集部/掲載内容有効期限:2013年3月19日