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ビデオはコンビニで借りる? U-NEXTに聞いた「MOVIE CARD」の実際(2/2 ページ)

» 2013年04月10日 20時31分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]
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 一方、ドラゴンボールの映画旧作4タイトルを視聴できるカードのように、新作の劇場公開と連動したコラボ商品など、時事に合わせた展開にも力を入れている。ユニークなのは、カードを購入して視聴できるのは旧作4タイトルなのに、カードの絵柄は完全に新作映画のそれになっていること。新作のプロモーションを全面に出したデザインだ。さらに「銀刷りのあるカードの上に別のカードが付いていて、取り外してコレクションできるようになっています。これもローソン側の要望で実現しました」。さすが、ローソンはファン心理が分かっている。

「劇場版 ドラゴンボールZ」過去映画4作品パック。カード表面に名刺大のカードが付いていて、取り外せるようになっている 。(c)バードスタジオ/集英社 (c)「2013 ドラゴンボールZ」製作委員会

プロモーションを兼ねたビジネス

 MOVIE CARDは、アップルの「iTunes Card」や任天堂の「ダウンロードカード」と同様、POSレジで支払いを済ませた時点で有効化される(=アクティベーション)POSA(Point of Sales Activation)の技術を使用している。その市場性の高さに加え、在庫リスクがない(仮に万引きされても店に損害がでない)といった特長もあり、コンビニチェーン各社も積極的だ。

 例えば全国に1万5000店舗を展開するセブン-イレブン・ジャパンは、年内にPOSAカードの取り扱いアイテム数を2倍以上に拡大すると発表済み。U-NEXTのパートナーであるローソンも、主力商品の一角に育てる考えだ。「店舗内のカードコーナーを拡大する動きもあります。担当者は、『デジタル商品を販売するリアル店舗がコンビニ』と話しています」。

 しかし、もともとVoDサービスは流通コストや店舗スペースがいらない点が事業者にとっての大きなメリットであり、MOVIE CARDの展開は自らの武器をスポイルしているようにも見える。「たしかに単体のビジネスとして見れば、印刷/流通コストがかかってかなり難しいサービスです。われわれの見込みに対して、現在はまだポテンシャルを発揮しきれていません(売上、目標は非公開)。ただ、このMOVIE CARDを入口として、月額サービスに加入してくれるユーザーもいて、U-NEXTの認知度を上げるプロモーションとしては有望です」。

 同社では今後、店内の什器設置スペース拡大を働きかけていくとともに、ほかのコンビニチェーンを含め、幅広い小売業者にMOVIE CARDを訴求していく考え。一方、ローソンの店頭ではユーザー拡大に向けたプロモーションも展開している。例えば、現在はカード購入で500ポイントが2000人に当たるキャンペーンを実施中。ほかにも「ローソンの一部店舗にあるイートインスペース“MACHI cafe”でコーヒーを頼むと、お試し用の『1dayカード』がもらえます。3月26日から全国2000店舗で提供していて、若干ですがほかのMOVIE CARDの売上も伸びています」。

 ちなみに1dayカードも7daysカードと同様、7ジャンルの順新作と旧作が1日“見放題”になる。配布期間は4月12日金曜日までのため、試してみたい方はお早めに。

ちょっとコーヒー買ってくる

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