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ゴージャスな外観にイキイキとしたサウンド、フィリップス「Fidelio S2」野村ケンジの「ぶらんにゅ〜AV Review」(2/2 ページ)

» 2013年08月27日 16時55分 公開
[野村ケンジ,ITmedia]
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 さて、しっかりエージングができた“本領発揮”の「Fidelio S2」サウンドはいかがなものかというと、メリハリの良い、イキイキとしたサウンド。タップリとした量感を持ちつつも十分なフォーカス感を確保した低域と、鋭いけど素直な特性の高域によって、印象度の高い、力強い演奏を聴かせてくれる。音色も自然というか、リアルな傾向。そのうえヌケが良いため、とてもリアルに感じられる。バランスよりも個々の音の魅力が際立つ傾向だ。

Fidelio S2のインピーダンスは32オーム、感度は107dB。最大入力は40ミリワット

 おかげで、女性ボーカルなどは最高に魅力的なサウンドを楽しめる。ややカスレながらも、密度感の高い、それでいて勢いのある歌声を聴かせてくれるのだ。そのため、普段よりも感情表現が5割増しに感じられ、かなり音楽に引き込まれる。言い替えれば情緒的、臨場感が高いサウンドといえるだろう。

 音楽ジャンルとしては、ハードロックやジャズなどとの相性が良かった。低域はそれほどタイトではないのだが、フォーカス感が高いため演奏がリズミカルに聴こえる。普段よりもいくぶんノリのいい演奏を楽しむことができた。

 ちなみに、新品のときは低域のキャラクターがかなり異なっていて、量感もフォーカス感も足りない状態だった。そのため、かなり硬い印象を感じてしまったようだ。100時間も聴いていると、それがずいぶんとほぐれるので、本領を発揮されるためには、じっくりつきあって上げる必要があるのは確かだ。

製品のパッケージと付属品

 と、そこまで試聴した後、実売価格を調べてビックリ。おおよそ1万円ちょっと、1万2000円前後の価格帯となっているのだ。ここまで音質的なクオリティーを保ちつつも、それに甘えずリアルな音色とノリのよいグルーブ感を楽しませてくれる点については、さすがといいたくなる。“ゴールデンイヤー”スタッフによるブラインドチェックを行い、音質に関して徹底的な追及を行うフィリップスだからこその、上出来な製品だ。

音質評価 Fidelio S2
解像度感 (粗い−−−○−きめ細かい)
空間表現 (ナロー−−○−−ワイド)
帯域バランス (低域強調−○−−−フラット)
音色傾向 (迫力重視−○−−−質感重視)

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