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HDMI 2.0で変わること、変わらないこと――HDMI Licensingが説明会(2/2 ページ)

» 2013年09月12日 22時07分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]
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CECの拡張

 CEC(Consumer Electronics Control)は、HDMI機器を1つのリモコンでコントロールする制御技術。2005年に登場した「HDMI 1.2a」からサポートしているが、新たに「ワンタッチ再生」(プレーヤーにディスクを入れたりすると自動的にテレビがオンになり再生が始まる)をはじめ、「スタンバイ」「リモートコントロール パススルー」「システムオーディオコントロール」「ワンタッチ録画」といった5つの機能が追加された。

 とはいえ、CECはメーカーが独自に拡張しているケースも多く、5つの新機能も、既に普通に使われているものばかりだ。ただ、後付けであっても今回から「CEC 2.0」として必須の機能になったことで、今後は異なるメーカーの製品でもCEC 2.0対応機器同士であれば、確実に動作することになる。

アスペクト比21:9のサポート

 現在の16:9よりワイドな21:9のスクリーンをサポートした。映画でメジャーなシネマスコープサイズ(2.35:1)に近く、最近では海外製テレビやPCディスプレイなどの一部に21:9の製品も存在する。テレビの場合、コンテンツや伝送路など課題が多かったが、HDMI 2.0がサポートしたことで状況も変わる可能性がある。

ダイナミック自動リップシンク

 リップシンクは、映像と音声のタイミングのズレを防ぐ機能だ。それ自体は以前のHDMIにも実装されているが、「コンテンツの範囲が広がるにつれ、ビデオプロセッシングにかかる時間にも長短が現れ、ズレの生じる場合がある」という。

 新しいダイナミック自動リップシンクは、「とくに映像と音声が別経路で伝送されるケース(ARCか、AVアンプ経由かなど)を想定した」という進化版だ。ビデオストリームとオーディオストリームのズレに対し、ダイナミックにバッファーの調整を行うことで動的に同期させる。ユーザーの操作は必要ない。

変わらないケーブル、コネクター

下位互換性

 HDMI 2.0はケーブルやコネクターに変更はない。HIGH SPEEDケーブル(カテゴリー2ケーブル)であれば、既存製品でも18GbpsのHDMI 2.0で利用できる。「われわれはインフラに関わっているため、常に先を行かなければならない。そしてエンドユーザーの観点から、シンプルで使いやすくなければならない」

 なお、質疑応答で8Kへの対応を聞かれたVenuti氏は、「ようやく4K/60pに対応したのでしばらく休みたい」と笑いつつも、「インフラというのは常に先を行かなければいけない。8Kに関するトライアルも始まっている」とした。

HDMIバージョンごとの機能比較

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