ITmedia NEWS >

進行する映像と音のハイレゾ化、有機ELへの流れも明確に――IFA振り返り麻倉怜士の「デジタル閻魔帳」(4/4 ページ)

» 2013年09月30日 10時35分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]
前のページへ 1|2|3|4       

おまけコーナー:栗原工業「ケイエコライト」

――今回のおまけコーナーはスタンドライトですか?

麻倉氏: 私のような執筆仕事は良いスタンドライトが必需です。最近、通販で買って、とても感動して使っているのが、栗原工業の「ケイエコライト」です。これは世界で唯一の“直流発光”のスタンドライト。ちらつきが全くありません。しかも光の拡散性もよいので目が疲れず、気持ちよく原稿が書けるのです。

 栗原工業は、工場にある検査装置などを製造する会社で、この直流発光のライトも自動車の塗装検査や製造ラインの異物検査に使われていた「蛍光灯直流点灯回路技術」を応用したものです。長時間の作業でも目が疲れにくく、作業効率も上がるため、スタンドライトという形で一般向けにも販売しています。実は歴史がけっこう古く、20年ほど前から蛍光灯タイプがあったのですが、現在はLEDスタンドライトも手がけています。

麻倉氏宅の「ケイエコライト」(ECO-027-004)。電源回路の入っているスタンド部は大きくて無骨なデザイン。このあたりに業務用機器のテイストが残っている

――直流発光とはなんでしょう

 現在、家庭の電気は送電のしやすい交流ですが(昔は直流だった時期もある)、例えば50Hzなら1秒間に100回電流の流れる方向が切り替わることになり、ちらつきの原因になります。それを解決するためにインバーター式の蛍光灯などもありますが、これは電流の周波数を1万〜5万/秒程度の高周波に変換し、肉眼では感じられないようにしたもの。実はすごい速度で点滅を繰り返しているのですね。

こちらはミニLEDスタンドタイプの「エル・エコライト」。価格は2万8000円

 一方、同社が開発した「蛍光灯直流点灯回路技術」は、直流に変換してから点灯させるため、ちらつきが発生せず、目が疲れにくい。電磁ノイズの発生が少なく、ランプ寿命も延びるといったメリットもあります。光の量は手元で調整できます。

 ただ、もとが業務用の技術ということもあり、この製品は4万5000円と高価で、あまり売れてはいないようです。私は口コミで良いと聞いたので購入してみたのですが、使い出すと手放せなくなる光ですね。私は目を酷使する仕事ですから、とても良い選択でした。デザインは無骨ですけどね。

前のページへ 1|2|3|4       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.