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寝正月の新しい相棒となるか? 「Hulu」の実力を探る(2/2 ページ)

» 2013年12月13日 09時45分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]
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対応機器が多いと便利なこと

 VODの場合、対応機器は多いにこしたことはない。事業者にとってはユーザーの拡大に繫がる重要な要素となり、ユーザー側は視聴デバイスが複数あると利用シーンが増える。BD/DVDなどのパッケージメディアでは考えられない、さまざまな使い方ができる。

 その一例が、別のデバイスを使っても前回の続きを簡単に再生できること。コンテンツごとに再生を停止した場所をHuluのサーバが記録していて、デバイスを問わず同じ内容を表示してくれるのだ。ディスクを入れることもなく、チャプター送りをする必要もない。「視聴中の番組」メニューでコンテンツを選び、お目当ての番組で「続き」を選択するだけでいい。

iPhone用Huluアプリの画面。視聴中のタイトルがあるとポップアップで「続きを再生」が選択できる(左)。視聴中の番組一覧。普通はこんなに途中のコンテンツはないと思われるが、全部覚えていてくれる(右)

 例えばリビングのテレビで見ていた映画の続きを、寝室に持ち込んだiPadで見る。外出時のちょっとした空き時間にスマートフォンや「ニンテンドー3DS」で利用するなど、使い方はさまざま。最近ではBDを購入するとモバイル用の動画をダウンロードできるサービスも出てきたが、当然ながらBDで見ていた箇所までは教えてくれない。オンラインサービスならではの利便性といえるだろう。

 それと、あまり大きな文字では書けないが、Huluでは2つの端末で同時にコンテンツを視聴できたりもする(3つめはダメ。検証済み)。通常、1つのアカウントでは1ストリームが原則だが、マルチデバイス対応に伴って柔軟に対応しているのだろう。

 複数のデバイスを利用していると、たまに2ストリームめがほしくなる。例えば家族と一緒に映画を見ていて、お風呂の準備ができたとき。風呂には早く入りたいが、映画に夢中の家族は一時停止などしてくれない。そんなとき、防水ケースで完全防護したiPad miniを浴室に持ち込んだりする。もちろん見放題だから後で見直せば良いのだが、テレビの再生を追いかけておくと、リビングに復帰したときスムーズに家族の輪に入ることができる。

iPad miniを防水ケースに入れてお風呂に持ち込んだところ。ケースは背面にスタンドが付いているのが便利だ(利用は自己責任で)

 もう1つ利用頻度が高い機能が、見たい映画や番組を登録しておける「マイリスト」だ。Huluには常時1万を超えるコンテンツがあり、「特集トレイ」のようなレコメンド機能や検索機能も充実しているが、興味をもったコンテンツを後で探すのはやはり面倒だ。マイリストは見たいと思ったときにチェックするだけでリスト化できる防備録に、そのまま再生機能が付いたようなもの。興味があったら好きなだけチェックしておけばいい。

作品との出会いを増やすレコメンド機能も充実。ユニークな切り口の特集(左)と「おすすめ」一覧。過去に視聴した作品の履歴やほかのユーザーに人気の作品などを教えてくれる。もちろん、ここからマイリスト登録も可能だ(右)

 個々のコンテンツに課金される場合はレンタル料金を気にしなければならないが、Huluのような定額制サービスでは遠慮はいらない。なにしろ「月額980円で見放題」というシンプルなプランだけ。携帯キャリアやソーシャルゲーム会社にも見習ってほしい分かりやすさだ。

年末年始の計画を立ててみた

 年末年始休暇まであと2週間。今から「マイリスト」に見たいものをためておき、年末休暇に入ったら一気に消化するのもいい。お楽しみが待っているのだから、仕事に対するモチベーションも上がるというもの。個人的には人気の海外ドラマ「ウォーキング・デッド」のシーズン4に追いつくため、シーズン1〜3を一気に視聴したいと思っているが、ほかにも以前テレビで時々見ていた「SPEC」や「LOST」も一度通して見てみたいし、一世を風靡した懐かしいドラマ「ツインピークス」や「X-ファイル」なども見つけてしまった。子どもの頃に見ていたアニメ「ルパン三世」シリーズや「スラムダンク」が全話そろっているのも気になる。

 もっとも、こうした作品をビデオレンタル店で見つけたとしても、興味をひかれるだけで借りることはないと思う。定額制で貸出や返却の手間もないHuluだから「とりあえず見てみる」ことができる。そして、とりあえずで見始めたものにはまってしまうことも多い。こと映像を楽しむという点において、Huluはかなり優れた仕組みを持っているのではないだろうか。残る課題は、「マイリスト」に入れたコンテンツの視聴時間を合計すると、到底9日間では足りないということだけだ。

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