全方位戦略ともいえるLGに対し、対抗のSamsung(サムスン)は「曲面パネル」という点で特化していた。まず同社ブース入り口で出迎えるのは大量の曲面4Kパネルと110インチ巨大スクリーンといった具合だ。このほか、プレスカンファレンスで紹介されて話題を呼んだ「“曲げられる”4Kテレビ」の稼働デモのほか、曲面パネルを採用するメリットを紹介した比較デモなど、とにかく「曲面づくし」といった印象だ。
ただ、曲面特化という以外の部分に目を向けると、大枠ではLGと同じような展示内容だった。21:9のシネスコサイズ曲面テレビのほか、PC向けの(曲面)4Kモニター、3D表示を生かしたデュアルビューと裸眼3D、8Kパネルの展示など、従来技術の延長線上にある技術展示が行われていた。LGのwebOSのような目玉はないものの、引き続きスマートテレビ関連のアプリやコンテンツ配信に関する展示に広いスペースが割かれており、「既存の展示の延長線上で“曲面”という部分を特にフィーチャーした」というのがSamsungブースの特長といえそうだ。
シャープの展示構成は昨年のCESとほぼ同様で、入り口では90インチのフルHDパネルが用意され、その展示内容もIGZOを主体としたものとなっている。8Kテレビの展示が行われていたのは前回と同様だが、今回新たに秋の「FPD International」でも展示されていた8K裸眼3Dパネルが紹介されていた。また国内では発表済みのQuattron+や4Kに関する技術展示、Dolby Vision対応テレビの参考展示など、今後の展開に注目したいものもあった。
少々残念なのは、今回のCESでの展示はそのほとんどが日本国内などですでに発表済み、または公開済みのものばかりで、目新しさに欠けていた点だ。IGZO関連も去年に比べると小粒のものに留まり、8Kや4K関連も既成のコンテンツが中心で、多くのメーカーの展示の中で埋没してしまった印象。シャープは経営難もあり昨年の「IFA 2013」では展示ブースを設けなかったが、せっかく出展したCES 2014の展示内容がこの状況では非常にもったいない。
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