SSDへの換装でスピードアップを実現できたが、一方で容量が心もとないという問題は解決できていない。PS4に内蔵可能な2.5インチHDDでは現状1.5Tバイトまで選べるが、費用対効果という意味では3.5インチHDDの方が有利だ。そこで、ここでは3.5インチHDDでは現時点で最大容量となるウエスタンデジタルの4Tバイトドライブ「WD Green 4TB」(WD40EZRX)を用意した。SATA 3.0に対応し、64Mバイトのキャッシュと1枚あたり1Tバイトのプラッターを備えるほか、低騒音で低発熱なのが特徴だ。
とはいえ、3.5インチHDDには12ボルトと5ボルトの電源供給が必要で、PS4から延長ケーブルでつなげただけの状態ではHDDを起動させることはできない。そこで、別途ACアダプタ経由で電源を供給したところ、無事PS4で認識された。早速システムソフトウェアを導入したところ、容量は3579Gバイト(空き容量は3578Gバイト)となった。これだけの空き容量を使い切るのはなかなか難しそうだ。
SSDに換装したときと同様のテストを実施したのが下記のグラフだ。おおむね、500Gバイトの内蔵HDDとほぼ同等のスコアを記録したが、システムソフトウェアやダウンロードパッケージのインストール時間は分が悪いようだ。
実売で1万6000円前後と、4TバイトHDDのコストパフォーマンスは圧倒的で、速度も内蔵HDDに見劣りしない結果だったが、当然のようにPS4との電源連動(電源の自動オン/オフ)やスタンバイモードには対応しておらず、HDDもむき出しで使うことになる。試しに手持ちの外付けHDDケースをいくつか試してみたが、USBやeSATAなどのブリッジチップを介するとPS4がHDDを認識しなかった。
以上、PS4の内蔵ドライブをSSDや大容量HDDに換装してみたが、それぞれ一長一短がある。レスポンスや速度重視ならば何と言ってもSSDだが、安価かつドライブの残り容量を気にしなくて済む環境が欲しいのならば、HDDに軍配が上がる。SSHDはそのすき間を埋める存在として気になるところだが、ドライブによってはスタンバイモードから復帰しないなどの不具合も報告されている(システムソフトウェアVer.1.62で改善されたとの報告もあがっているが)。
今回のテストで試しに8タイトルのゲームをインストールした段階で、すでに76Gバイトの容量を使っていた。体験版など比較的ファイルサイズの小さいタイトルが多いのだが、標準HDDの500Gバイトがいかに心もとないかが分かるだろう。筆者が現時点の最適解として悩んだ末に出した回答は、容量1Tバイトの2.5インチHDDを6000円で購入した、というものだった。もちろん、予算にゆとりがあればSSDを選んだが、バックグラウンドでさまざまな処理をしてくれるPS4ならば、しばらくはHDDで様子を見てみようという魂胆だ。
ゲームを切り口にソーシャルとのつながりや楽しみを提供してくれるPS4。直近では、VRヘッドセット「Project Morpheus」を初めとして、今後も何かと話題を提供してくれそうだ。また機会を改めて、違った角度からPS4の魅力を取り上げてみたい。
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