本田: 最初、なぜネットワークオーディオの機能が入っていないのか、疑問だったんです。多機能な割にLAN端子は持っておらず、USB-A端子からのファイル再生もできません。Bluetoothは入っているのに、国内メーカーなら当然付けると思われる機能が入っていない。
でも、実際に使ってみて分かりました。机の上で、PCを使って音楽楽しもうというときはUSBケーブルで接続すればいい。ファイル再生なら横にPCがあるので、LAN端子がないのも当たり前です。ユーザーニーズをきっちりと取捨選択した結果と言えます。
野村: もう1つ、素晴らしいと感じたのが、XLR出力のS/Nです。第1世代でありながら、プロダクトモデルとしての完成度は高い。パワーアンプを足すだけでシステムができるので、好きなスピーカーと組み合わせてニアフィールドのオーディオシステムとして使うこともおすすめです。
本田: AV機器との組み合わせも考えられますよね。HA-1には豊富な入力端子とパススルー出力があるので、手持ちの2chシステムを活かしてテレビの音を強化しつつ本格オーディオとしても楽しめる。PCを中心としたデスクトップシステムの“万能型デスクトップオーディオセンター”ですね。
野村: 素性が良いためか、いじったときの反応も良いです。例えば液晶パネルをオフにするだけで、さらにS/Nが上がるのが分かります。この価格帯のプリアンプとしてはすごく優秀だと思います。
本田: 足(インシュレーター)も変えただけでも良くなりますね。BDプレーヤーでも同じことがありましたが、これはOPPOの伝統でしょうか。
松浦: ハードの素性は良いので、足周りとかにも反応します。ヘッドフォン祭でもいろいろ試してみましたが、USBケーブルを交換するだけも分かりやすい変化がありますし、電源ケーブルも交換可能です。とても趣味性が高い製品になっていると思います。
野村: 本田さんなら、どう使います?
本田: ちょうど書斎のリフォームを考えているので、新しい机に置きたいですね。また、ほかの人にもお薦めしやすいデバイスだと思います。入力も出力も充実していてシステム拡張も容易なので、まずはHA-1と手持ちのヘッドフォンで楽しみ、スピーカーから音を出したくなったらパワーアンプを後でプラスすればいい。ヘッドフォンアンプで16万円という価格は高価と思われるかもしれませんが、システムの核として考えれると絶妙な値付けではないでしょうか。
ただ、この半値くらいで“最初の体験”を与えるようなものが出てくると、さらに良いと思います。つまりBDプレーヤーの「BDP-105」に対する「BDP-103」のような存在。取っつきやすい製品をラインアップに加えて裾野を広げることも大事です。
野村: たしかに、この半額くらいで購入できるシンプルな製品があるといいですね。私は“物の買い方”には2つのパターンがあると思っていて、最初から“満足したい人”は良い物を購入すればいいのですが、一方で価格や情報が不足していて「これでいいのかな」と確信を持てない人もいます。そうしたユーザー向けに低価格な製品があると親切です。
本田: 今、市場にある10万円以下のUSB-DACを聴いても、意外とまともなものは少ない。中から聞こえてくるのは、「売れるならやってみようか」という不純な動機です。しかしHA-1は、オーディオ的な表現力を持った良い製品です。音場のたたずまいというか、S/Nが良く、エネルギーバランスも良くて、解像感も出てます。これは明らかにオーディオ製品。ピュアオーディオのファンの人たちも使える製品です。“高級デスクトップオーディオ”を目指そうと思ったら、手を出しやすい価格帯の製品だと思います。
野村: HA-1はヘッドフォンアンプですが、同時に正真正銘のプリアンプだと思っています。そういう意味で、5年は十分に使い続けられる製品に仕上がっているので、16万円なら十分にコストパフォーマンスの高い、良い選択になるのではないでしょうか。
本田: 野村さんは“お買い上げ”でしょ?
野村: まあ、多分。家では“貸出機”ってことにすれば……。それはともかく、今10万円前後のモデルを買おうとしている人たちがいたら、「がんばってここまで来よう!」と言いたくなる製品ですよね。
本田: 「がんばって借りたことにしよう!」と言いたくなりました。
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