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ホームシアターの革命、Dolby Atmosの衝撃(後編)麻倉怜士の「デジタル閻魔帳」(2/3 ページ)

» 2014年09月02日 11時54分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]
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オンキヨー

オンキヨーは7.1ch対応の「TX-NR636」や「TX-NR838」のほか(左)、9.1ch対応の「TX-NR1030」や「TX-NR3030」のプロトタイプを展示(右)

麻倉氏: さて、オンキヨーブースは天井スピーカーを用いた7.1.4chと、「ドルビー・イネーブルド・スピーカー」でサンプルコンテンツの聴き比べを行いました。鳥が視聴者の周りをぐるりと一周するものですが、天井スピーカーの音は非常に明快で、音の方向もはっきりと感じられます。一方のイネーブルド・スピーカーでは、360度飛ぶことは感じましたが、下と上のスピーカーのつながりがいまひとつ。もう少し緊密になると良いと思いました。

設定を変更して「ドルビー・イネーブルド・スピーカー」を有効に(左)。フロントスピーカーの上に設置された「ドルビー・イネーブルド・スピーカー」(右)

 それでもイネーブルド・スピーカーはかなり使えそうです。位置の正確性はともかく、空間そのものから出てくる感じでいうと、空間の厚みや広さを感じられたような気がします。、天井スピーカーの直接的な音は魅力ですが、イネーブルでも家庭用としては十分使えると思います。

視聴中の麻倉氏

ヤマハ

麻倉氏: ヤマハブースでは、サブウーファーを2つ設置した7.2.4構成で試聴しました。AVアンプは「RX-A3040」で、スピーカーは“Soavo”シリーズで統一されていました。

ヤマハブース。AVアンプは「RX-A3040」を使用

 まず感じたのは音の良さ。AVアンプの場合、音場と音質の2つが大事になります。これまで音質をブラッシュアップさせてきて、今回のドルビーアトモスでは音場に注力していますが、やはり音質も大事だと思いました。音場が持つエネルギーをアップするかのようです。ヤマハは製品発表が他社よりも遅かったのですが、ヤマハらしい切り口でまとまりのよい製品を出してきました。

天井チェック中

 ただ、もう少し下のスピーカーと上のスピーカーのつながりが良ければ、より立体的な音場が形成できると思います。試聴した部屋との関係などあるので一概には言えませんが、ヤマハは既にハイトスピーカーを提案する「DSP-HD2」を何年も前に提案していますし、何年もDSPを研究してきました。しかし今回は、自社のDSP技術とドルビーアトモスの連携は行っていません。今後はDSPの活用が1つの課題だと思います。

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