フラフィのローラーに取り込まれたゴミは、後部へと流れる際に上から押さえつけられ、吸い込み口部分に来た瞬間に圧力から解放される。すると、飛び跳ねるような勢いで暴れ、そのままでは吸引口にうまく入らないという問題が生じた。それを防ぐために開発されたのが、「ローフローチャンバー」だ。
ローフローチャンバーは、6つに仕切られた小さな部屋(チャンバー)の形をしており、その壁にゴミが当たることで、ゴミの勢いが弱まり、吸い込み口に導かれる仕組み。フラフィが単に柔らかいローラーを採用しただけの製品ではなく、その特徴を活かすため、周辺の構造も合わせていちから開発されたことが分かるエピソードだ。
では、フラフィはどの程度の大きさのゴミまで取り込めるのだろうか。フラフィの開発にあたり、ダイソンでは世界各国のゴミの大きさを調査した。例えば朝食にうれしいシリアル。袋を開ける際や皿に盛りつけるときにこぼしてしまうことも多い。ダイソンでは、世界各国で販売されているシリアルを何百種類も調達し、その大きさを計測して分布図を作成。ローラーのサイズや柔らかさを決める際に役立てたという。
またシリアル以外にも、米粒や麺類、ドッグフード、猫用のトイレ砂など、床にこぼれる可能性のあるものを片っ端から検証した。ゴミが落ちる床面も同様で、フローリングやカーペット、タイル、そして日本の畳など、一般家庭に存在するさまざまな床面をすべて用意して、気の遠くなるような調査を繰り返し行った。珍しいところでは、緑茶の茶葉なども検証の対象だったという。こうした努力により、フラフィのローラーは、これらの多くを取り込めるようになった。
もう1つ、フラフィはエポックメイキングな新機構を持っている。それはローラーにモーターを内蔵したことだ。
従来のモーターヘッドは、吸引口から離れたヘッド上部にモーターを組み込むのが普通だった。しかし、この場合は駆動力を伝える回転ベルトをブラシの真横に取り付けなければならず、ヘッドの内側にブラシの届かないデッドスペースが生じ、吸い込み効率を下げることにつながっていた。
そこでフラフィでは、ローラーの軸となる部分にモーターを配置して直接回転させる構造を採用。回転ベルトを排除してヘッドの横幅いっぱいまでローラーを拡大し、掃除の効率をアップさせている。さらに重いモーターの位置が変わったことでヘッドの重心が下がり、左右のバランスも良くなった。つまり、掃除機を前後左右に動かしたときの追従性が上がり、スムーズに掃除できるようになった。見た目からは分からないが、これも重要なポイントだろう。
もう1つ気になるのは、ローラーのメンテナンス性だろう。フラフィのローラーは主に固形のゴミを想定したものだが、掃除をしているときに液体が付着してしまうこともある。そんなときは、コインなどでヘッド側面のカバーを外し、ローラーを水洗いすればいい。たとえ醤油や植物油などが付着しても、しっかり取ることができることが確認されている(ただし洗剤は使用不可)。
このようにダイソン フラフィには、単なる掃除機のヘッドとは思えないほど、高度な技術が詰まっている。それらはすべて「DC74」本体に搭載された「ダイソンデジタルモーターV6」や「2 Tier RadialTM(ティアーラジアル)サイクロン」によって生み出された吸引力を、100%活かすためのものという点も付記しておきたい。
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提供:ダイソン株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia LifeStyle 編集部/掲載内容有効期限:2014年11月6日