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OPPO「HA-1」導入記――各種ヘッドフォンとの相性をチェック!野村ケンジのぶらんにゅ〜AV Review(2/2 ページ)

» 2014年10月31日 18時35分 公開
[野村ケンジ,ITmedia]
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 さて、肝心のヘッドフォン出力の実力を確認するべく、同社初となるヘッドフォンの「PM-1」、および純正バランス接続ケーブルを利用してサウンドをチェックした。そのほかにも数機種のヘッドフォンを試してみたが、さすが純正コンビ。「HA-1」と「PM-1」の相性は抜群だ。

「PM-1」

 とくにバランス出力がベスト。「PM-1」は、7層構造の平面振動板やアルミ導体のスパイラルコイルなど、個性的なシステムを採用するOPPO初のオープンエアー型ヘッドフォンだが、「HA-1」の開発時にこの組み合わせで調整したのだろう、帯域バランスが良好で、かつニュアンス表現の巧みなサウンドが楽しめる。中域に思いっきりフォーカスしたような特徴もあり、ボーカルがとてもイキイキとした歌声を披露する。一方で、高域の音色傾向には細心の注意が払われており、雑味が少なく、鋭さもずいぶん押さえられたジェントルなサウンドが味わえる。

「PM-1」は製品としての質感も高い。イヤーパッドとヘッドバンドに子羊皮を使用するなど長く使える仕様だ

 とてもシックで、聴き心地の良い音色傾向だが、個人的には高域の伸びがややもの足りない。そんな人には、「PM-1」には購入特典として無償提供される別チューニングのイヤーパッドがオススメ。こちらに交換すると、伸びやかな高域を持つ、ハリのあるサウンドに変化。ハードロックなどは、グルーブ感の良いパワー感あふれる演奏が堪能できる。

左が標準、右は購入特典として無償提供される別チューニングのイヤーパッド。見た目の違いとしては、裏側のフェルト素材がなくなっている。低域、中域の音質を確保しつつ、高域のレスポンスを向上させるという

こちらは「PM-2」。ドライバーは「PM-1」と共通ながら、イヤーパッドやヘッドバンド、付属ケーブルなどが異なる。直販価格は8万9000円

 続いて「PM-2」もバランス接続ケーブルを使って試聴してみよう。こちらは、かなりオーソドックスなサウンドキャラクターで、「PM-1」のような中域の表現に重きを置いた印象はなく、ほぼフラットな帯域特性とクセのない音色傾向によって、ごく自然なサウンドを楽しませてくれる。実際、「PM-1」と「PM-2」は同じ振動板が採用され、違いはハウジング部やヘッドバンドなどの素材の種類くらい。しかしながら、「PM-1」は高級モデルにふさわしい解像感の高さを持ち合わせていて、確実なグレード差を感じる。音色的な好みで「PM-2」を選択することも多いだろうが、こと音質に関しては「PM-1」に軍配が上がるのは確かだ。

 ちなみに、今回はAKG「Q701」なども試聴してみたが、こちらとの相性はあまり良くなかった。一方で、ゼンハイザー「HD800」との相性は抜群に良い。OPPO製、もしくはゼンハイザー製のヘッドフォンと組み合わせるのが良さそうだ。

 そういったヘッドフォン出力のキャラクター的な特徴もあって、(AKG保有台数の多い)筆者は「HA-1」を主にプリアンプとして活用している。しかしながら、ヘッドフォンアンプとしても高い実力を持ち合わせていて、特に「PM-1」との組み合わせでは、なかなかに上質なサウンドを堪能させてくれる。プリアンプとして、DACとして、そしてヘッドフォンアンプとしてもマルチに活躍してくれる、とても優秀な製品だ。今後も、筆者のデスクトップシステムで、大いに活躍してくれることだろう。

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