麻倉氏: 「DTS:X」の登場です。従来は「DTS-UHD」と言われていたサラウンドフォーマットで、2012年にDTSがSRSを買収したときに入手した“マルチディメンショナルオーディオ”技術です。
麻倉氏: 考え方は、Dolby Atmosなどと近く、天井スピーカーを用います。オブジェクトベースで音場、音像を作るところも共通ですね。DTSでは、「DTS:X」をオープンソース化してツールの開発に第三者の力を借りたいと話していました。既に日本の主要AVアンプメーカーはサポートを表明しているほか、Mcintoshなどのハイエンドメーカーも対応を決めています。
CESではごく短時間、「DTS:X」の音を聞くことができましたが、かなり濃い感じの音でした。音像に加え、音質の魅力もありそうです。DTSといえば、ドルビーの強力なライバルですから、今後はオブジェクトベースサラウンドフォーマットの戦いも始まることになりますね。
麻倉氏: もう1つ、ベルギーのAuro Technologiesが開発した「Auro3D」(オーラスリーディー)というフォーマットもあります。デノンの北米向け製品に搭載される予定で、アナログデバイセズのブースでデモを行っていました。なぜアナログデバイセズかというと、同社の「SHARK」(シャーク)チップがこれら3つの立体音響フォーマットをサポートするからです。
実はこのAuro3D、対応機器はまだ販売されていませんが、日本でもディスクは手に入れることができます。ノルウェーの高音質レーベルとして知られる2LのBlu-ray Discは、Aura3Dでエンコードしているからです。オブジェクトベースではなくチャンネルベースなので精密な方向性ではありませんが、音の良さが目立つ期待のフォーマットといえます。
テレビの革新に加え、進化した立体音響システムも同時に展示されたるのがCESの奥深さといえるでしょう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR