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» 2015年02月09日 10時00分 UPDATE

ハイレゾ対応ポタアン検証:サウンド・ハンドリングともに高い次元でバランスの取れたポタアン――オーテク「AT-PHA100」 (3/4)

[山本敦,ITmedia]

PCオーディオ環境で聴いてみた

 今回「AT-PHA100」のサウンドは、はじめにMacBook Proとプレーヤーソフト「Audirvana Plus 2.0」の組み合わせで音の傾向をつかんでから、Androidスマートフォンと、先日Android版が正式にリリースされたオンキヨーの「HF Player for Android」を使ってアウトドア環境での使い勝手やリスニングも試した。リファレンスのヘッドフォンはオーディオテクニカの「ATH-MSR7」だ。

ts_at100pha10.jpg MacBookでPCオーディオ再生から試聴

 マイケル・ジャクソンのアルバム「XSCAPE」から『Love Never Felt So Good』(96kHz/24bit、FLAC)を試聴。ATH-MSR7の特長である高域のつやと伸びやかさが一段とリッチになって、高さ方向にゆとりが生まれる。ギターのカッティングなど軽妙なリズムの粒立ちにメリハリが出て、ハイハットやパーカッションの階調感も繊細でシルキーになる。ボーカルは抑揚に厚味が乗って鮮度がグンと上がった。中域まわりの情報量が増えて、空気の密度感がぎゅっと濃縮される感覚だ。

 なおMSR7はアンプなしでもドライブしやすいヘッドフォンなので、ゲインは「Low」に設定して聴いている。「High」にしてしまうと、ボーカルを中心に中高域が前面により力強く押し出されてくるのでこれはこれで良いと思うのだが、「Low」の方が声の繊細なディティールが得やすく、筆者は好みに感じられた。

 ノラ・ジョーンズの「Come Away With Me」から『The Nearness of You』(192kHz/24bit、WAV)では、声のディティールの再現にどれほどの差が現れるか注目してみた。アンプを通すと、ブレスやビブラートなど声の表情が明らかに豊かさを増して、女性らしく、しなやかでふくよかな弾力をまとう。滑舌がキリッとして、口元の印象がぱっと明るく華やぐようなイメージが頭の中に浮かんでくる。バックバンドの音とのセパレーションが上がり、瑞々しい空気感が生まれる。非常に透明度の高いサウンドだ。

ts_at100pha03.jpg 天板にブランドロゴを配置。高級感のあるヘアライン仕上げとしている

 クラシックのギタリスト、ミロシュ・カルダグリッチのアルバム「Latino Gold」から『Barrios Mangore: Un Sueno en la Floresta』(96kHz/24bit、FLAC)を聴いた。ノラ・ジョーンズのボーカルをしっとりと柔らかく再現するヘッドフォンとアンプの組み合わせがクラシックギターにも相性が良いのではないかと考えたのだが、これはまた絶品だった。アンプを通して聴くとSNがグンと上がり、目を閉じれば弦がつま弾かれる様子がまぶたの裏側に在り在りと再現されるようだ。トレモロ奏法の音色はキリッと粒が立って、音符の輪郭も描き込みが細密になる。長音のサスティーンには心地良い清涼感があり、階調表現も滑らかで情報量が豊富。余韻はシャープな輪郭を失わないまま、すうっと空気の中に溶け込んでいくようだ。

 DSD再生は安藤裕子のアルバム「Acoustic Tempo Magic」から『早春物語』(5.6MHz/1bit、DSF)を聴いた。声の滑らかさと、アコースティック楽器の温かみをリアルに、わざとらしく感じさせないほどに心地良く再現する。ピアノやウッドベースの低域は空間にすうっと広がって気持ち良く散っていく。楽器の音像は定位が明瞭さを増して立体的なパースペクティブが広がる。ライブ録音を楽しむのにも最適な組み合わせだと実感した。

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