USBオーディオ機器はUSB接続のDAC内蔵のポータブルアンプが4製品で、これも筆者の手元にある製品。製品名/PCM入力サンプリングレート上限/発売日/USB接続でAndroid端末との接続を公式に対応しているかの順に記載した。
製品名 | PCM入力サンプリングレート上限 | 発売日 | USB接続でAndroid公式対応 | 備考 |
---|---|---|---|---|
PHA-1 | 96KHz | 2012年10月 | 非対応 | 非同期転送サポート |
Fiio E07K | 96KHz | 2013年1月 | 非対応 | |
Creative SoundBlaster E5 | 192KHz | 2014年11月 | 対応 | AOA2.0/Bluetooth接続対応 |
Creative SoundBlaster E3 | 96KHz | 2014年8月 | 非対応 | Bluetooth接続対応 |
ポタアンでAndroidデバイスとのUSB接続を公式サポートしているのが1製品のみとさみしい限りだが、公式対応製品の多くが専用プレイヤーを提供しており、「HF Player」を利用するメリットがあまりないという現実もあるので、機材を無理に用意することはしなかった。補足すると、「Fiio E07K」以外はWindows用に専用ドライバが準備されており、汎用USBオーディオクラスドライバでは本来の性能を発揮できない、あるいは正常に動作しない可能性もある。また「HF Player」の内蔵USBドライバを使用する場合、ハードウェアボリュームを持たない製品との組み合わせでは音量が常時最大となってしまう。このためオンキヨーは、利用を推奨しておらず、その一例として「SoundBlaster E3」が記載されている点は、あらかじめ断りしておく。
通常USBオーディオ機器はUSBスレーブデバイスになって動作するが、「Fiio E07K」除く3製品は、USBオーディオ機器側がUSBホストデバイスになる接続形態もサポートする。iOSデバイス接続時がそうであり、E5ではAndroidデバイスの公式の接続形態もそうで、AOA2.0(Android Open Accessory 2.0)対応のAndroidデバイスで動作可能としている。ただし「HF Player」の内蔵USBドライバはPC接続時同様にUSBオーディオ機器がUSBスレーブデバイスとなることを想定しているので、E07Kを除き両方の接続形態で動作検証を行った。「PHA-1」と「SoundBlaster E5」はホストコネクターを利用し、「SoundBlaster E3」はUSBホストケーブルをUSBオーディオ機器側に接続することになる。
結果は2つの表にまとめた。1つ目は「Onkyo HF Player」で内蔵USBドライバを無効化してAndroidデバイス搭載の標準ドライバ利用、2つ目は「HF Player」で内蔵USBドライバを有効化した場合の動作だ。
まず「HF Player」で内蔵USBドライバを無効化した状態ではハイレゾ品質で再生できた組み合わせはなかった。この結果から分かるのは、
ちなみにAOA 2.0では44.1kHz/16bitが標準仕様になっている。同社の「DAC-HA200」でもAOA 2.0での接続が可能としているが、サイトの情報をみてもデジタル接続が可能としか記載がなく、特別な方法でハイレゾ対応しているのかどうかといったあたりは確認できていない。
次に「HF Player」で内蔵USBドライバを有効化すると、接続性が一気に向上する。「ARROWS ef」は「HF Player」で内蔵USBドライバが一切有効化されなかった(使用の許可を求めるダイアログが表示されない)ので、ここでは蚊帳の外に置かせてもらい、残る5端末での評価とする。この結果から分かるのは
といったあたりになる。「HF Player」内蔵USBドライバの存在意義が非常に大きく、Android向けのアプリを提供するにあたり、USBドライバの提供も必須ということがよく分かる。
「GL07S」は、全てのUSBオーディオ機器を認識し再生自体は行えたが、非同期転送をサポートする「PHA-1」と「E5」の2つでは、歌詞の聴き取りは可能なレベルだがノイズだらけの再生になってしまった。非同期転送が原因でGL07Sのハードウェアの問題という推測も成り立つが、現状唯一の競合アプリといえる「USB AudioPlayer Pro」では同じ組み合わせでも正常にハイレゾ品質での再生が行えている。つまりドライバベースで対応ができそうなので、改善に期待したい部分だ。
また「USB AudioPlayer Pro」はアプリ側にソフトウェアボリュームを備えており、「Creative E5/E3」をハイレゾ再生が可能なUSBスレーブデバイスとして接続した場合でも音量調整が可能だ。「HF Player」はおそらくビットパーフェクトな再生を優先してソフトボリュームをあえて排除していると思われるが、そこは明示した上でやはりソフトボリュームもサポートして欲しいとは思う。必要がない人は設定で無効化できればいいだけなので、それほどデメリットが大きいとは思えないのだ。
先に触れた通り、ARROWS efは「HF Player」の内蔵USBドライバが有効にならなかった。Android OSは「EM01F」や「GL07S」と同じく4.2.1なので、あえてUSB関連は動作を制限している可能性も高く、「HF Player」側の改良ではどうにもならないのかもしれない。発売時のOSバージョンが4.0.4なので、この段階で独自でUSBオーディオデバイスの接続をサポートしていたとすると、4.2.1でも互換性を優先したドライバの独自実装をしている可能性もあり、それが「HF Player」の内蔵USBドライバが有効にならない理由かもしれない。
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