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Bluetoothでもハイレゾに迫る音質 ――ソニー「MDR-1ABT」ワイヤレスで行こう(2/3 ページ)

» 2015年03月17日 13時30分 公開
[山本敦ITmedia]
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使いやすさを徹底追求したタッチ操作とロングライフバッテリー

 本体内蔵のバッテリーは約30時間の連続音楽再生に対応したスタミナ設計。片道1〜2時間の通勤時間中に音楽を聴き続けても軽く1週間は充電なしで乗り切ることができる。一般的なmicroUSBケーブルで充電できるので、外出先でバッテリーが切れても、スマホの充電器があれば職場や外出先のカフェなどで充電が可能。今回のテストで1週間ほど実機を借りてテストしたが、バッテリー切れをケアするために有線ケーブルを持ち歩く必要はないと感じた。

microUSBケーブルで充電が可能

 操作性の点で秀逸なのは、右ハウジングの表側にタッチセンサーが仕込まれていて、ペアリングしたプレーヤーの音楽再生をヘッドフォンからリモートコントロールできることだ。ハウジングの表側を指でなぞりながら、上下フリックで音量調整、左右で曲送り、ダブルタップで再生/一時停止になる。センサーの反応も俊敏で、軽くタッチするだけで全ての操作が的確に行える。かといってうっかり触れてしまって誤操作につながることもなく、賢いレスポンスだ。反対側のハウジングはNFCの接点になっていて、NFC対応のスマホやウォークマンならワンタッチでペアリングができる。

右側のハウジング表側はタッチセンサーコントローラーになっている

ヒンジの内側にコントローラーの操作ガイドが記されている

 頭に装着した印象は、ベースモデルの「MDR-1A」、USB-DAC内蔵の「MDR-1ADAC」と同じく、耳から頭部を優しく包み込む快適さが得られる。エルゴノミック立体縫製のイーヤーパッドと、耳の裏側まで柔らかく包み込むエンフォールディングストラクチャーにより、音漏れを防いでパワフルな低域を再生する。ウレタンフォームのクッションも柔らかく肉厚で、「MDR-1RBT」の頃から連綿と続く高いフィット感は変わらず健在だ。筆者はヘッドフォンの側圧が苦手な方だが、MDR-1シリーズの優しい装着感は気に入っている。ヒンジのジョイントは装着時にガチャガチャと鳴ってしまうメカノイズを低減するため、サイレントジョイント機構が採用されている。ソニーのプレミアムモデルならではのこだわりが強く感じられるポイントの1つだ。

エンフォールディングストラクチャーを採用するクッション性の高いイヤーパッドを採用。振動板の素材はアルミコートLCP

肉厚なウレタン低反発フォームを採用している

LDAC再生時のノイズ干渉はどれぐらい?

 今回はソニーのウォークマン「NW-ZX2」を借りて、「MDR-1ABT」の使い勝手から音質まで色々と検証してみた。まずは音質をチェックする前に、LDACのワイヤレス接続時の安定性を確かめてみた。

 「NW-ZX2」の場合、LDAC関連の設定メニューは「Bluetooth設定」の中に配置されている。右下のメニューをタップして、「ワイヤレス再生モード」を選ぶと「LDAC優先」と「SBC固定」が選べる。LDAC再生の音質は最高990kbpsの「音質優先」から、330kbpsの「接続優先」、間を取った660kbpsの「標準」という3種類。設定変更はメニューを表示しながら、音楽再生を止めることなく切り替えられるので、それぞれの音質を聴き比べるのも楽しいと思う。SBC固定との切り替えを行う際には、一端音楽再生を止めてから「ワイヤレス再生モード」を選び直す仕様だ。

LDACの再生品質は3種類から選択できる

 990kbpsの音質優先設定時には、SBCと比べて約3倍の大容量データをBluetooth伝送しているので、まわりに沢山の電波が飛び交う場所では伝送エラーが発生する確立が若干高まる。実際に週末の夕方、賑わう新宿の街中を歩きながらテストしてみたところ、音飛びやノイズの混入が発生することもあった。こんな時のために「標準」と「接続有線」のモードが用意されているわけだが、「標準」に切り替えればほとんど伝送エラーは起きなかった。通勤時間帯の電車の中でも結果はほぼ同様。今回テストした感触では、「SBC固定」を選ぶ必要はほとんどないように思う。

LDACの標準、または接続優先モードであれば雑踏の中でも音飛びやノイズは発生しなかった

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