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イヤフォンで“全部入り”を徹底追求――旅のお供にも最適なオーディオテクニカ「ATH-BT08NC」ワイヤレスで行こう!(2/2 ページ)

» 2015年05月07日 13時05分 公開
[山本敦ITmedia]
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飛行機に乗ってノイズキャンセリング性能を試してみた

 今回は本機をお借りした直後、海外出張にでかける用事があったので、飛行機の中でノイズキャンセリング機能の効果や使い勝手も試してみた。

 本体付属のキャリングポーチに、イヤフォン本体と有線リスニング用のケーブル、念のため航空機変換アダプターも忍ばせる。変換アダプターは本体の付属品としてパッケージに同梱されるので、別途購入しなくてもよい。充電用のケーブルはAndroidスマホ用のmicroUSBケーブルと兼用できて、手荷物になるケーブルは1本で済むから楽だ。

キャリングポーチを付属。これだけコンパクトに持ち運べるのは大きな魅力だ
航空機用変換アダプターも付属する

 搭乗するやいなや、バッグからすぐにイヤフォンを取り出した。羽田から深夜に飛び立つフライトだったので、ゆっくり機内エンターテインメントの映画でもみながら眠ろう。そのためにこのイヤフォンがどれだけ使えるか試そうと考えた。

機内で装着してみた。肩に乗せる、あるいは掛けるような装着スタイルになる

 座席のエンターテインメント端末のイヤフォンジャックを確認したところ、変換アダプターがいらないシングル(1穴)のタイプだ。今回の旅は往路の航空会社がANAで機体はボーイング787、復路はルフトハンザで機体はエアバス A340-600だった。座席クラスはエコノミー。最近の新しい機体ではデュアル(2穴)のジャックを見かけることの方が少なくなった。やはり変換アダプターはない方が楽だ。しかも、どちらの機体でもUSB充電ができたので、イヤフォンのバッテリーも給電しながら使うことができた。

機内エンターテインメントのイヤフォンジャックはシングルタイプだったのでアダプターなしで接続できた。USB充電もできるのが有り難い

 ノイズキャンセルの効果は上々。機内に“ゴー”と響く低域のフライトノイズが、ノイズキャンセリング機能をオンにするとすうっと消えて、エンターテインメントの音声に集中できる。イヤフォンタイプなので耳栓効果が高いし、ヘッドフォンと違ってヘッドバンドの締め付けも気にならないので、心地良く自然に眠れる。ハウジングはウィング形状の突起が耳のくぼみにぴったりフィットするデザインになっているので、装着した時の安定感が高く外れにくい。ネックバンドデザインは身に着けた時の安定感が高く、ブランケットなどでケーブルが引っ張られて耳から外れてしまうような心配もない。おかげさまで道中は快適に爆睡できた。

サウンドは鮮度が高く、自然なバランスが持ち味

 静かな環境で音質をチェックしたインプレッションも報告しよう。プレーヤーにはAndroidスマートフォンの「Xperia Z2」を使って、aptX接続の状態で試聴している。基本的にはノイズキャンセルをオンにして聴いたが、オフにしても音質に変化がないよう音が作り込まれているイヤフォンだ。

「Xperia Z2」との組み合わせで音質を確かめた

 本体には13.5ミリ口径の大型ドライバーを搭載。ドライバーの周囲をセパレーターと呼ばれるパーツで囲うことで密閉性を高め、ノイズキャンセリング機能オンの際には引き締まった低音を再現する。

ドライバーの背圧をコントロールするメッシュダンパーを採用。クリアで抜けの良い中低域を再現する。ブランドロゴがデザインされたシルバーのケースの中にノイズキャンセル用のマイクが搭載されている

 ワイヤレスイヤフォンとして操作しながら感じたことは、肩に乗せるウェアラブルスタイルなので、装着感は安定するのだが、左側ボックスのコントロールボタンがアゴの位置ぐらいまで非常に近接するので、ボタンを目で確認しながら操作するのはやや難しい。ただボタンがたくさん付いているわけではないので、ある程度コツを掴んでしまえばどうということはないレベルではあるが。

 ボーカルがクリアでストレートにエネルギーを引き出す。TM Networkのアルバム「CAROL」から『GIA CORM FILLIPPO DIA』では、細かいアレンジも立体的に引き出す解像力の高さも見せた。低音はアタックの力強さだけでも迫力十分だが、量感もしっかりと備わっている。ビートはタイトに引き締まっていて、だぶついたりもたつく感じがないので気持ちが良い。帯域のバランスは自然でよくまとまっているが、特にボーカルの鮮度の高さが際立っていると感じた。

 小沼ようすけのアルバム「GNJ」から『Jungle』では、エレキギターのカッティングの粒立ちが明瞭(めいりょう)で、躍動感にあふれる。音の芯に柔らかさがあって、バネも効いている。高域も艶やかで、余韻を無闇に広げ過ぎない自然でさわやかなヌケ味が魅力的だ。クラシックギターもミロシュ・カルダグリッチの「Latino Gold」から『Barrios Mangore: Un Sueno en la Floresta』を聴いてみた。ギターの弦とボディの響きがやはりとても素直でリアルだ。高域の音色が優しく伸びて、余韻が清らか。イキイキとしたトレモロの弾力感が気分を高揚させてくれる。

 カラヤン/ベルリンフィルの「ドヴォルザーク:交響曲第9番『新世界より』」では、オーケストラの力強さとともに、音場の広さを鮮明かつダイナミックに表現する。低音の透明感が高く、演奏の緊張感をビシっと引き締める。楽器の音色表現も非常にナチュラルで、それぞれの描き分けもリアリティに富んでいる。ノイズキャンセリング効果が高いので、アウトドアリスニングでもしっかりとピアニッシモの音まで味わい尽くせるのが醍醐味(だいごみ)だ。

専用のイヤフォンケーブルをつないだところ。ワイヤードリスニングができる

 ノイズキャンセリング機能が音質に及ぼす影響はほとんどなく、ノイズ成分だけがすうっと消去される。航空機の中だけでなく、電車やバスで街中を移動しながら音楽を聴いても、効果の高さが実感できた。これから夏本番がやってくれば、音楽リスニングは耳元が蒸れないイヤフォンをメインに使うという方も多いはず。ついでにノイズキャンセリング付きのものが欲しいなら本機の他にも選択肢はいくつかあるが、ワイヤレスで使えて、しかもウェアラビリティも高いイヤフォンという条件も付けるならば、「ATH-BT08NC」の右に出るモデルはなさそうだ。旅先でもマルチに活躍してくれるイヤフォンとしておすすめしたい。

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