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Astell&Kernの新フラグシップ「AK380」登場! 北米での販売価格は3499ドル(約41万円)に決定(4/4 ページ)

» 2015年05月16日 16時28分 公開
[山本敦ITmedia]
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デモ機を試用したインプレッション

オーディオライターの佐々木氏

 アユートが開催した記者発表会には、ゲストとしてオーディオライターの佐々木喜洋氏が参加。ひと足はやくAK380のデモ機を試用したインプレッションについて触れ、「AK240で唯一不満だった点は、DACにシーラスロジックの旧式のチップを使っていたことだったが、AK380ではAKMの最新ICを搭載した上に、フェムト秒クラスの高精度クロックを乗せているので、AK240に比べてさらにジッターも低減され、音質は格段に良くなっている」と絶賛。本体の大型化が内部の回路設計における自由度を高めるものであるとしながら、その大型化によってポータビリティが一切損なわれていないという評価も付け加えた。

旭化成エレクトロニクスの佐藤氏

 佐々木氏がAK380の大きな進化ポイントの1つとして挙げるDACについては、旭化成エレクトロニクスのオーディオマイスターである佐藤友則氏も発表会場に駆けつけて開発の背景を語った。旭化成エレクトロニクスではハイエンドだけでなく様々なオーディオ用ICの開発を展開しているが、最新DACチップの「AK4490」は、プレミアムラインのポートフォリオである“Audio4Pro”のシリーズにカテゴライズされる上位製品。同社では「AK4495」という据え置きタイプのハイエンドコンポーネントにも採用されるDACチップを開発しているが、AK4490はポータブル機器に最適化されていることが特徴だ。「コンセプトはVELVET SOUND。原音の忠実再生を目標に音を作ってきた。優位性は帯域外ノイズが低く、歪(ひず)み特性が従来よりも格段に向上している点。32bitを基準に開発したデジタルフィルターにも注力した」と佐藤氏は開発の経緯を振り返った。

 24bitの音源を32bit対応のDACで再生した場合も、処理性能の余力を活かしながらより高品位なサウンドが楽しめるようになるという。さらにDACチップをデュアルで使うことにより、左右独立の回路レイアウトが引けるようになるので、S/Nの特性が良くなり、クロストークの低減にもつながるなど音質へのメリットが生まれてくる。

 会場では佐々木氏が実演を交えてAK380の音質や、ネットワーク再生、CDリッピングの使いこなしを紹介。音楽再生についてはわずかな時間ではあるが、クリアで力強いAK380の“モンスター級”のサウンドパフォーマンスの片鱗を垣間見ることができた。なおヘッドフォン祭の会場では、整理券配布制となるがAK380が試聴できる機会も設けられている。今回のイベントに出展される製品の最注目株の1つになることは間違いないだろう。

(※初掲載時、写真のキャプションに誤りがありました。お詫びして訂正します)

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