auの製品発表会では語られなかった新事実も披露されました。それはHTCが世界で初めて200Gバイトのmicro SDXCカードに対応したこと。今年1月の「2015 International CES」で米Sundisk(サンディスク)が発表した超小型の大容量ストレージが使えます。「ハイレゾ音源は容量が大きく、スマホに入れて持ち歩くとストレージを圧迫してしまいますが、その心配もいりません」。
玉野社長に紹介されて登壇したのは、サンディスクのプロダクトマーケティンググループでマネージャーを務める長瀬陽子さん。200Gバイトmicro SDXCカードの価格や販売時期などは未定ですが、サプライズの「大盤振る舞い」がありました。
micro USBとUSB 3.0(TypeA)の両方の端子を持ったアイデア商品的なUSBメモリ「サンディスク ウルトラ デュアル USBドライブ3.0」(16Gバイト版)が参加者全員にプレゼントされました。ウルトラ デュアル USBドライブは、OTG対応のAndroidデバイスで使えるので、大きなデータをスマホとPCの間でやり取りするときに便利です。
micro USBのコネクターは長めになっていて、「スマートフォンのケースやカバーをつけたまま利用できる」というのもポイント。また専用アプリ「メモリーゾーン」を使えば、ファイルコピーやスマホのバックアップも簡単に行えます。
さて、いよいよイベントの目玉、デジタルメディア評論家の麻倉怜士氏、オーディオビジュアルライターの野村ケンジ氏、玉野社長によるトークセッションです。テーマは「スマートフォンとハイレゾ音源」。まず麻倉氏がハイレゾについて解説してくれました。
「ハイレゾは、High Resolution(高解像度)の略で、CDより遥かに良い音というのが簡単な定義です。CDを基準の“中解像度”とすると、低解像度はMP3やAACといった圧縮音源、高解像度がハイレゾ。要は演奏の“生の音”に近い情報量の多い楽曲データです」。実際には周波数レンジの広さなど、さまざまな要素がありますが、ひとまとめにして語るときに“ハイレゾ”という言葉が便利に使われています。オーディオなら「ミキサー卓の2ch音声をいかに再現するかが目標になります」(麻倉氏)。つまり、制作者が意図した音をそのまま消費者の耳に届けられるのがハイレゾなのです。
では、実際に音を聴いたとき、ハイレゾ音源はどのように違うのでしょうか。「ときにアコースティック音楽の批評で『空気感が出る』といった表現がありますが、これは楽器から出る直接音だけではなく、壁などに反射した反射音によって演奏している会場が持つ響きなども感じ取れるということです。さらには音楽から演奏家や作曲家のソウル(魂)、考えや思いまで覗くことができる。そこまで追求できるのがハイレゾの良さです」(麻倉氏)。
進行役を務めた野村ケンジ氏は「そのハイレゾを(専用プレイヤーより手軽な)スマートフォンで再生できる時代になったのですから我々は幸運ですね」としつつ、同時に警鐘を鳴らします。「ハイレゾ対応スマホの中には、実は“対応している”だけのものもあります。ハイレゾ音源をちゃんとハイレゾとして再生できる(=音源の実力を発揮できる)スマホは限られていますが、HTV31はちゃんとハイレゾを聴けるようになっています」(野村氏)。
玉野社長も「一口にハイレゾ再生といっても、実際には入口から出口までしっかり作られていないと音の良さは分かりません。いかにデジタルからアナログに変換するか、アナログになった音をどのようにしてヘッドフォンに伝え、ドライブして原音に迫る音を出すか。いくつもの垣根があります」と指摘。その上で、「HTCはこだわりました。HTC専用アンプを作り、端末の処理能力を上げ、プレイヤーアプリも作り込んでいます。ハイレゾをフラットに再生できる中身に仕上げました」と胸を張りました。野村氏も「とくにスマートフォンのように通信機器は電磁ノイズ(高周波ノイズ)が多く、ノイズ対策にコストをかけられるかが音を大きく左右します。そこにしっかり対策したのがHTV31ですね」と頷いていました。
このあと、3人が選んだ5曲のハイレゾ試聴曲を高級スピーカー(パイオニアの最上位モデル「S1」)で再生しながら注目ポイントを紹介しました。音にこだわるアーティストのエピソードから最新レコーディング事情、ハイレゾだからこそ分かってしまう“マイクの選定が下手だった事例”などの裏話も飛び出しました。
試聴曲 | アーティスト |
---|---|
California Dreamin' | ダイアナ・クラール |
ヴィヴァルディ「四季」 | The Quartet Four Seasons |
MAGUS MODE | TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUND |
誰かの願いが叶うころ | 宇多田ヒカル |
リオ・ファンク | リー・リトナー |
続くフリーのタッチ&トライは30分と短い時間でしたが、皆さん思い思いにHTV31をチェックしました。フロントデュアルスピーカーによる「HTC BOOM SOUND」を試した「THE KATTARUI nexPERIA」さんは、「まず驚いたのが通常のスピーカーの音質です。ステレオスピーカーと言えば最近では○○の代名詞になってますが、正直音質では○○を超えています。筐体の設計の時点で音に拘ったのが伝わってきます。ステレオスピーカーは大正義!」とのコメント。ちなみに○○には某端末名が入りますが、大人の事情でカットさせていただきます。詳細は「THE KATTARUI nexPERIA」さんでどうぞ。
改めて聴き比べ、“スマートフォンの音”を見直した方も多かったようです。「huhka.com Blogger出張所」のHUHKA(ふーか)さんは、「スマホでも、こういう領域まで行けるもんなんだなぁと感じる、なかなか有意義なイベントだったかと」。ありがとうございます。「伊藤浩一のWindows Phone応援団」の伊藤さんは、「スマートフォンの音楽のイメージが一新されました。今までは、MP3ファイルをBluetoothヘッドフォンで聞いていたのですが、今後は、ハイレゾ音源をしっかりしたヘッドフォンで聞きたくなりました。久しぶりに聞いたリー・リトナーも良かったです。アルバムを買おうかな」。
ちなみにリー・リトナーの「リオ・ファンク」は玉野社長セレクトの試聴曲で、イベントの前には「知っている方はいらっしゃいますかね……」と心配していたのですが、ふたをあけてみると「懐かしかった」「また聞きたい」という声が多かった試聴曲です。「いいかも」のnaaktownさんも、「玉野氏のセレクトのリー・リトナー、フュージョン全盛期に私もずいぶん聴いた曲だった。この臨場感がたまらない。昔のJAZZ喫茶を本当に思い出した」と書かれていました。
持参したハイレゾ対応ヘッドフォンでHTV31を試聴したのは、「ぶんじんのおはなし」のぶんじんさん。「宇多田ヒカルに聴き入ってしまいました。もちろん、スピーカーの音に比べたら、、、ではあるんですが、やっぱり違いましたよ。私はそんなに耳は良い方じゃないんですが、それでも『なるほどねぇ』と思ってしまいました」。
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アイティメディア営業企画/制作:ITmedia LifeStyle 編集部/掲載内容有効期限:2015年7月17日