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深夜の決闘!――話題の扇風機を夜のアキバでガチ比較(4/5 ページ)

» 2015年08月04日 21時23分 公開
[芹澤隆徳ITmedia]

23時30分:動作音を騒音計で計測してみた

 そろそろ終電が気になる時間帯に入ったが、次に動作音を計測してみよう。ところが取材班は大きな壁にぶち当たった。店内は昼間と同様にデモ機や機能説明用のディスプレイが動いており、決して静かとはいえない。照明と連動しているため、すべての電源を切るわけにもいかない。困ったわれわれはA氏と相談し、本来は「関係者以外立ち入り禁止」のバックヤードに入れてもらうことになった。見たことのない場所に少しワクワクしながら後に付いていくと……。

従業員トイレの前でした

 A氏の見立ては正しかった。店内と厚い扉で隔てられたバックヤードには外部の騒音がまったく入ってこない。騒音計で計測した暗騒音(機材を動かす前のベースとなる騒音レベル)は30.1dB。普段、検証に使っている自宅は33dB前後のため、かなり静かだ。トイレも近くて便利。

 今回の測定は扇風機から約50センチ離れ、風が集音部に直接吹き付けない場所で行った。各製品の検証結果は下表の通り。

測定中の様子

バルミューダ「GreenFan Japan」

メーカー/製品名 バルミューダ「GreenFan Japan」
風量モード 1 2 3 4
実測値 31.2dB 32.6dB 39.2dB 52.8dB

ダイソン「PureCool」(ピュアクール)

メーカー/製品名 ダイソン「PureCool」
風量モード 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
実測値 30.9dB 31.7dB 34.5dB 37.1dB 42.6dB 46.3dB 48.8dB 53.3dB 56.9dB 57.1dB

シャープ“スリムファン”「PF-HTC1」

メーカー/製品名 シャープ「PF-HTC1」
風量モード 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11
実測値 31.8dB 32.0dB 33.1dB 34.2dB 36.4dB 38.4dB 41.5dB 44.3dB 47.0dB 53.2dB 57.5dB

東芝「F-DLT75」

メーカー/製品名 東芝「F-DLT75」
風量モード 1 2 3 4 5
実測値 31.9dB 34.0dB 40.3dB 51.8dB 55.3dB

 音に対する感覚は人によって異なるが、現場で体験した印象では、32dB前後なら就寝時にも使えるイメージで、40dB台後半になると音が気になり出す。50dB台は近くで使うには少しうるさいと思う。

 気になったのは、シャープ「PF-HTC1」の「風量1」があまり風を感じられなかったことだ。ほかの3機種は微風といった趣で就寝時などに使えそうだが、「PF-HTC1」では風量2以上にあげないと涼しくない。これはむしろ、プラズマクラスターイオンだけを活用したいときに役立つモードかもしれない。

 もう1つ分かったのは、ダイソン「PureCool」も他社製品とあまり変わらないレンジに収まっていたこと。同社製品は「音が大きい」と言われることも多いが、それは過去のイメージ。最近の同社製扇風機は音に関する多くの改善を加えており、今回の横並び比較でその進歩が視角化できたと思う。

 しかし、音だけで製品の評価はできない。たとえ音が大きいモードでも、風を送り出す力も強ければ、サーキュレーター用途など役に立つ場面が多いだろう。最後に風をどこまで遠くに届けられるのかをチェックした。

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