そしてもう1社、4K OLED TVを全面に押し出しているのが韓国のLGだ。家電展示会では同社の“十八番”だった大スクリーンを使った3Dテレビのアピールはなりを潜め、今回は完全にOLED関連の展示に注力していた。いま話題のHDR技術とOLEDの相性が非常に良いため、キャッチコピーも「The Best Device for HDR」と表示しており、さらに構成部品のシンプルさからくる薄型化のメリットなど、OLEDの特性の数々をアピールする内容だ。またLGは、スマートTV対応で少し前に話題になった「webOS」のようなスマートOSを前面に出したエコシステム紹介を行っていた数少ないメーカーの1つである。YouTubeやNetflixのようなコンテンツ連携やアプリストアの紹介だけでなく、ユーザーインタフェースにwebOSを採用するメリットを丁寧に説明しており、それだけ自信を持っていることの現れなのだろう。
4Kテレビを「"S"UHD」のブランドで紹介し、他社との違いをアピールしているのはSamsung(サムスン)だ。TV関連では画像処理技術やパネル技術を紹介する展示が多く、内容的に日系メーカーの展示に非常に近くなっている。また、パナソニックでは未定とされていた「UltraHD Blu-ray」プレイヤーの製品展示が行われており、2016年初頭での発売を目指しているという。おそらく、来年1月のCESのタイミングには何らかの追加発表が行われることだろう。
また今回サムスンで気になったのは、BtoBやエンタープライズ関連の展示スペースが以前にも増して拡大していたことだ。エンタープライズは同社スマートフォンのセキュリティや管理機能、プリンタ製品の紹介が中心だが、BtoBはサイネージや業務ディスプレイ、そしてこれらサイネージとスマートフォン連携可能なシステムなど、パネルの利用拡大を促す展示が行われていた。Galaxyというスマートフォン製品を持つ同社は、サイネージ分野でもこうしたスマートフォン連携を加えたアピールがしやすいとみられ、ソリューション展示の最後ではしっかりとモバイル決済の「Samsung Pay」を紹介していたりする。こうした部分に強みを持つのは日本ではパナソニックだと思われるが、Samsungもまた同じ分野を主要ターゲットにし始めたのだと考えられる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR