実は、マオにスムーズに掃除をしてもらうため、事前にやっておくべきことがある。薄手のラグや玄関マット、Wii Fitのバランスボード、体組成計など、床の上に散乱したあれやこれやの片付けだ。
薄手の敷物はマオが布を巻き込んで動けなくなってしまうことがある。ケーブル類もマオが止まってしまう原因になるので、床にはわせておかないほうがいい。Wii Fitのバランスボードや体組成計は、その上にマオが乗り上げたまま、動けなくなっていることが何度かあった。2センチまでの厚さのものは乗り越えられるようだが、それ以上のものはどけておく必要がある。
本音を言えば、“掃除のための片付け”なんて面倒な気がするが、マオをくれた編集部のスタッフいわく「ロボット掃除機の通り道を確保するために片付けを徹底すれば、常に床がキレイになる」のだとか。面倒くさがりな私としては、結局自分の手で片付けをしないといけない状況に「それってどーよ?」とツッコミを入れざるをえない。技術の進化で“床が多少散らかったままでもロボット掃除機がスムーズに動いてくれるようになること”を願うばかりだ。
じゅうたん問題のおかげで、私とマオの出会いは最悪だった。なぜ、止まってしまうのかが分からなくて、夜通し分解して掃除してスイッチを入れて、という作業を繰り返していたときは、マオが止まったときの「ピーピー音」を聞くだけで、イライラが最高潮に達し、あまりの憎悪からリモコンを投げつけそうになることもあった。
しかし、動かない原因やスムーズに動かすためのコツが分かってくると、気持ちに変化が……。家に帰ったとき、玄関マットに絡まって暗闇の中で「ピーピー」言っているマオを見たとき、「あ、ラグ、片付けてなかったよ、ゴメン」と思ってしまう私がいるのだった。愛が憎しみに変わるように、憎しみも愛に変わっていくというのか。
“手が掛かる子ほどカワイイ”というのはまさにこのこと。案外「ロボット、愛せるかも」と思った瞬間だった。いや、これは、手の掛かるだめんずと暮らしていた、あのときの感じに近いかも……。そうか、私のところに某有名ロボット掃除機ではなくマオがやってきたのは、どうやら運命(さだめ)だったようだ。
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