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CESで見つけた“注目のヘッドフォン”総集編 2016CES 2016(3/10 ページ)

» 2016年01月15日 12時16分 公開
[山本敦ITmedia]

ゼンハイザーのヘッドフォン技術の粋を集めた超弩級モデル「Orpheus」を聴いてきた

 ゼンハイザーのブースでは、現在も開発の追い込みが続くスーパーフラグシップ「Orpheus」のプロトタイプを試聴する機会も得た。本機はブース内に設けられた特別試聴室で時間を制限しながらデモンストレーションを行っていた。

超弩級ヘッドフォンシステム「Orpheus」

 初代の「Orpheus」は1991年に300台限定で発売された、ゼンハイザーが持てるヘッドフォン技術の全てを投じて開発された究極のヘッドフォンだ。本機のスピリットを継承し、昨年70周年を迎えたブランドが現在の技術の粋を集めて世に送り出す超弩級ヘッドフォンシステムだ。

 本体は静電型のヘッドフォン「HE 1060」に、真空管とトランジスターによるハイブリッド構成のアンプ、DAコンバーターを内蔵するセンターユニットの「HEV 1060」を組み合わせた2ピース構成。電源を投入すると、大理石素材のベースから真空管とコントロールノブが姿を現し、ヘッドフォンを収納するケースの蓋が開くギミックも脚光を浴びる。

Orpheusの特設試聴ブースにて650万円を超えると言われるOrpheusのサウンドを試聴する筆者

 会場ではSACDプレーヤーにバランス接続した状態でイーグルスの「ホテル・カリフォルニア」をSACD盤で聴いた。そのサウンドは、大袈裟に言えば「ヘッドフォンを着けているのに、ヘッドフォンを着けていないような感覚」で音楽が鳴っているような感覚だった。圧倒的な情報量による緻密なディティール再現と広々とした音場感。ギターの弦が弾かれて音が鳴る瞬間、ボーカリストの息づかいまで、目を閉じればすぐ手の届く距離に立ち上っているように感じられるほど生々しい。音の輪郭は彫りが深く、静寂とのコントラスト感も目が覚めるほど鮮烈だ。

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