ITmedia NEWS >

ベストな音楽再生環境を自動調節してくれるワイヤレスNCヘッドフォン「JBL EVEREST ELITE 700」を試すワイヤレスで行こう!(2/3 ページ)

» 2016年02月16日 11時45分 公開
[山本敦ITmedia]
※本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

本体ボタンによるシンプルな操作を追求

 本機の大きな特徴であるスマホアプリ連携の説明に入る前に、ヘッドフォン本体に搭載されているコントロールボタンでどこまで操作ができるのか確認しておこう。

右側のハウジング後方に電源ボタンを配置

 左右イヤーカップの後ろ側には、デザインの統一感を損なわないスリムな形状のコントロールボタンが配置されている。左側のボタンでボリュームや曲送り、再生停止やハンズフリー通話などの操作が可能。左側の中央に配置されているマルチファンクションボタンは、1回押すと再生/一時停止、2回/3回のクリックでスキップ操作になるが、スキップ操作については筆者の環境ではiOSでは正確に動作したものの、Android搭載の「Xperia」ではうまく操作できなかった。

 NFCには非対応なので、Bluetooth機器とのペアリングは本体のボタン長押しから始める定番の操作方法になる。右上側のボタンを3秒間長押しするとBluetoothとNC機能がオンになり、そのまま長押しを続けるとランプが点滅してペアリングモードに入る。

 さらに右下側に「S」の文字がプリントされたボタンは「スマートボタン」と名付けられており、これをオートキャリブレーションの起動、またはNC機能のオン/オフ切り替えに割り当てられる。その設定はこのあと説明するスマホアプリで行う。

「S」のアルファベットがプリントされたボタンが「スマートボタン」。オートキャリブレーション機能の起動、またはNC機能のオン/オフ切り替えに割り当てることができる

スマホアプリからノイキャン効果をコントロール

 スマホアプリ「My JBL Headphones」はiOS/Android対応で、それぞれのアプリストアから無料でダウンロードできる。今回テストした「EVEREST ELITE 700」など、JBLの対応するヘッドフォン/イヤフォンを組み合わせないと起動しない専用アプリだ。

 ホーム画面はトップにヘッドフォンのバッテリー残量を表示。イコライザーはジャズ/ボーカル/ベースのほか、ユーザーが自由に値を設定したプリセットも保存しておくことができる。

Android版「My JBL Headphones」のホーム画面。ヘッドフォンのバッテリー残量を確認したり、ノイズキャンセリング機能のオン/オフ選択、イコライザー設定などが並ぶ。右上の「TruNote」をタップするとオートキャリブレーション機能が機能。左上の設定アイコンからボタンの機能アサインメントなどが行える

 NC機能はオン/オフがアプリから設定できるほか、アプリを経由すれば「アンビエント・アウェアネス」と呼ばれる機能からNC効果の強弱が調整できる。つまり見方を変えればヘッドフォンを装着して音楽を聴きながら、そしてノイズキャンセリングをかけながらでも周囲環境の音がモニターできるという機能だ。これが今、ハーマンがヘッドフォンリスニングのための「次世代アクティブ・ノイズキャンセリング機能」として売り出し中の新機能だ。

ノイズキャンセリング機能の強弱は「AWARENESS」(アウェアネス)を3段階から設定。オフにするとフルパワーのNCがかかる仕組み

 使い方はアプリのコントローラーから「AWARENESS」の段階を「強・中・弱」の3段階で設定する。ヘッドフォンの左右別々にNC効果の強弱を変えられるのも面白い。筆者が2015年のCESを取材中にハーマンのブースを訪れた際、同社の商品企画担当者を取材してこの「アンビエント・アウェアエス」の開発意図を訊ねたことがある。当時は先行してNC機能搭載のイヤフォン「JBL Reflect Aware」というモデルで本機能をデモンストレーションしていたのだが、担当者はその効果について「周囲の環境音にも気を配りながらより安全に音楽と、スポーツや街歩きなどを一緒に楽しめるように開発した」と説明していた。ショップでの買い物の際、店員と会話する時に、あるいは電車に乗りながら車内アナウンスに耳を傾けたい時に、音楽を聴きながら左右片側だけのNC効果を低減させることで周りの音に気を配れるという効果も狙っているそうだ。国内では「JBL EVEREST ELITE」シリーズが先行することになったが、今後はJBLをはじめハーマンが取り扱うヘッドフォン/イヤフォン製品で採用が拡大してくるのではないだろうか。

 アクティブ・ノイズキャンセリングはハウジングの内外側の両方にマイクを搭載するフィードバック&フィードフォワードのハイブリッド方式で、消音性能はかなり高い。マイクの数は、ノイズキャンセリング用の4基のほか、ハウジングの内側にはオートキャリブレーション用のマイクを左右に1基ずつ、さらには通話用マイクを右ハウジングの外側に1基搭載、合計7基というぜいたくな仕様だ。

 もともと密閉感の高いイヤーパッドによるパッシブなNC効果と相まって、にぎわう街の雑踏の中で、あるいはカフェで音楽を聴いてみても周囲の音はほとんど気にならず、音楽再生に集中できた。とくに人混みを歩く時などには「アンビエント・アウェアネス」を活用すれば、より安全に音楽が聴けるので積極的に使いたい。

肉厚なクッションのイヤーパッド

 ヘッドフォンを身に着けた状態でアプリのホーム画面右上にある「TruNote」をタップするとオートキャリブレーション機能のセットアップが始まる。キャリブレーションを開始するとブザー音が鳴り、数秒ほど待つとキャリブレーションが完了する。キャリブレーションの前後では音の定位感が変わって、奥行き方向の立体感に深みが増す印象だ。これは積極的に使わない手はないだろう。本体のボタン操作、あるいはアプリ操作で切り替えれば、有線/無線、ノイズキャンセリングのオン/オフを掛け合わせた4つのリスニングスタイルを選んで楽しめる。

オートキャリブレーション機能を起動中。3〜4秒ほどで設定は完了する
スマートボタンの機能割り当てや自動電源オフ機能、ボイスガイドのオン・オフなどが設定できる

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.