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努力せずに女子力を上げる家電、収入を1.5倍にした冷蔵庫など――三菱電機のスゴい技術を見てきた滝田勝紀の「白物家電、スゴイ技術」(2/5 ページ)

» 2016年02月25日 08時00分 公開
[滝田勝紀ITmedia]

空間に調和するスクエアデザインで、エアコンの存在感を希薄に!

上が3月末に発売する真っ赤なエアコン「FLシリーズ」。下がツインフローやプロペラファンが特徴の最上位機種「FZシリーズ」

 エアコンというのは、設置場所による制約などから横幅や高さもだいたい決められ、なかなか差別化しにくい家電である。一般家庭の場合、よぼど目が肥えている人以外は、パッと見でどこのメーカーか分かる人は少ないし、そもそも見た目より機能重視で購入するものだから仕方ない。とはいえ、デザイントレンドは存在し、現在はラウンド形状や曲線などを効果的に用いて正面や下から見た際、あまり圧迫感を感じさせないデザイン手法が主流だ。

 それに対し、三菱電機の新エアコンデザインは対極であるスクエアフォルムを前面に押し出している。最上位クラス「FZシリーズ」はプロペラファンを左右、床に対して平行に2枚並べることで、部屋にいる複数の人それぞれに快適な気流を届けることに成功している。だが、一般的なエアコンが採用する、円筒形のラインフローを真横に置く配置法よりも、奥行き感を減らすのが難しくなった。

 ただ、重要なのは感性への訴えかけであり、人がどう感じるかだ。住居の梁や柱、天井、家具のラインなど、部屋を見渡すと、デザインのベースは水平垂直で構成されていることがほとんど。それらのラインと「FZシリーズ」のスクエアフォルムは相性が良く、空間全体と水平垂直で馴染むことで、存在感を消すことに成功している。

鏡に壁が映り込むことで、エアコン本体の奥行きが薄く見える視覚効果をもたらすデザイン

 また、コンセプトデザインの中には、よりユニークなものもある。例えばエアコンの両サイドのうち、壁側の半分ぐらいをミラーで覆うことで壁を映し込み、よりエアコンが薄く見えるような視覚効果を利用する。さらに、赤い本体の「FLシリーズ」のデザインは、消費者アンケートを元に、赤系のインテリア雑貨などを使っている人が多いことから、親和性の高い製品を提供しようと考えられたものだ。

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