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新しいデジタル放送「i-dio」をさっそく試してみた(2/2 ページ)

» 2016年03月02日 15時24分 公開
[橘十徳ITmedia]
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「Amanekチャンネル」と「i-dio Creators Ch.」が視聴できた

 「i-dio」のチャンネルは放送エリアごとに異なる。関東・甲信越では、「TS ONE」「Amanekチャンネル」「i-dio Selection」の3チャンネル、そして「i-dio Creators Ch.」を視聴可能。近畿ではこれに加えて「KANSAIチャンネル」、九州では「Qリーグチャンネル」が加わる。3月1日12時現在、東京・台東区で受信したところ、「Amanekチャンネル」と「i-dio Creators Ch.」の2つのチャンネルが視聴可能だった(Amanekチャンネルはプレサービスという位置付け)。

「Amanekチャンネル」と「i-dio Creators Ch.」の2つが視聴できた

 「Amanekチャンネル」はドライバー向けデジタルラジオで、ラジオ感覚で音楽や天気予報を聴ける。一方の「i-dio Creators Ch.」は、クリエイター向けのオリジナル映像チャンネル。ゲームが好きな人向けの番組「ひよこGAMES」や、美容やフード、ファッション情報を提供する番組「ビューティーチャンネル」などが用意されている。こちらのチャンネルでは動画を楽しめた。

 ただ、木造の家屋の屋内でこれら2つのチャンネルを視聴したところ、音声のみの放送は問題なくクリアに聞こえたが、動画の方は電波の受信状況が悪い場所で視聴しようとすると、ところどころ途切れ途切れになったり、放送が止まったりすることもあった。

「Amanekチャンネル」の番組表(左)。「i-dio Creators Ch.」(中)。チャンネルを選ぶとコンテンツ受信中の表示が出る。受信中も音声を聴くことが可能だ(右)

 また、i-dioはチャンネルの切り替え操作を行うと、画面に「選局中」と表示された後、「コンテンツ受信中」という表示となるのだが、受信状態が悪いときはコンテンツの受信にかなり時間がかかってしまうこともあった。屋外などで電波の受信状況が良好な場合は軽快に使えるが、屋内などで受信状況が悪い場合はストレスを感じることもあるかもしれない。


 電波さえ良好なら、とてもクリアな映像と音声を楽しめるi-dioだが、チューナーをスマホと一緒に持ち歩くのは面倒なので、やはりi-dioに対応したスマートフォンが欲しくなる。また、車載用の「Tuner Box」という端末が4月に発売予定なので、車載用途にはこちらを利用する手もあるだろう。さらに5月にはIPサイマル放送(IP通信を使って同じコンテンツを放送)も始まる予定のため、利用者は今後かなり増えていくと思われる。

 コンテンツ面では今後の展開が期待される。例えば「Amanekチャンネル」では、ナビゲーターがスタジオから放送する「ブロック放送」のほかに、市町村などのエリア別情報をTTS(自動音声)で配信する「エリア別放送」も提供する予定で、クルマの位置情報(GPS)に合わせた気象情報や観光情報などを入手できる。7月をメドに専用アプリを提供する予定だ。ほかにも「TS-ONE」など音楽系のチャンネルでは今後、ハイレゾ並みの情報量を持つ音声放送も予定している。i-dioの普及にあたっては、このような既存のラジオにはできない便利でリッチな機能をどれだけ盛り込み、付加価値を出していけるかがポイントとなるだろう。

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