テレビは放送を見るだけの端末ではない。例えば、大学生なら徹夜で友達とゲームをすることだってあるだろう。しかし液晶テレビは、入力信号が画像処理回路を通るため表示までに遅延が発生してしまい、そのせいで格闘ゲームやFPSといったシビアなアクションゲームでプレイに支障が出ることが指摘されている。
実は、以前のレグザは遅延が比較的大きく、掲示板サイトなどで話題になったこともあるのだが、それを見た東芝の技術者が奮起し、とにかく遅延を抑え込む「ゲームモード」を開発した。最新の「V30」ではさらに進化しており、遅延時間が約0.005フレーム(約0.83msec)を誇る「瞬速ゲームダイレクト」となった。性能的にはもちろん“業界トップクラス”のため、格闘ゲームやFPSでも戦いを有利に進められる。
もう1つ。動画配信サービスにも幅広く対応していることも大きなポイントだ。好きなタイトルを好きな時間に楽しめるネット動画は、今や自宅デートには欠かせないアイテム。V30は、リモコンに専用ボタンがある「NETFLIX」をはじめ、「DMM.com」「TSUTAYA TV」「U-NEXT」「アクトビラビデオ・フル」「クランクイン!ビデオ」と多くの動画配信サービスをサポート。中には18歳以上にならないと見られないコンテンツを扱っているサービスもあるので一人暮らしに最適だ。
「新生活シーズンでテレビの需要は増えても、こだわりのない人は“素のテレビ”を購入しがちです。しかし、例えば『NETFLIX』が見られるといったことが分かると(V30を)選んでくれる方も多いですね」と本村氏。V30シリーズには、こうした“選ばれる要素”が詰め込まれている。
「テレビは見られればいい」という声も聞くが、最近のテレビ選びはその後数年間のライフスタイルを左右するくらい重要だと思う。しかも省エネなど基本性能も向上しているため、目先の値札しか見ていないと結果的に損をするかもしれない。次はランニングコストについて聞いた。
新生活需要と並んで東芝が狙っているのは、テレビの買い替え需要だ。というのも、2011年のアナログ停波前にデジタルテレビを購入した家庭がそろそろ買い替え期に入り、今後数年間にわたって大きな需要を生むとみられているためだ。
「地上デジタル放送への移行が進められていた2010年、2011年は全体で2500万台ものテレビが売れました。当時は32V型が主流だったので、買い替えには1ランクアップの40V型をおすすめしていきます」(本村氏)
買い替えを促すにあたり、東芝が重視しているのはサイズとスタイル、そして省エネだ。増宮氏は、「いざ買い替えとなると、大きいサイズが欲しいけれど『今のスペースに置けるのか』、また『電気代が増えるんじゃないか』と漠然とした不安を抱えている方が多いようです」と指摘する。そこで家電製品の寿命とされる10年前に発売された最初のレグザ「37C1000」と比べてみたところ、ちょっと驚くような数字が出た。
まずはサイズ。40V型の「40V30」の幅が90.4cmに対し、37V型の「37C1000」は91.6cmだ。フレーム狭額化の恩恵は大きく、買い替えた場合は画面は大きくなるのに省スペース化を実現できてしまう。消費電力に関しては、さらに差が広がる。37C1000はJIS規格の年間消費電力量で172kWh/年だったのに対し、「40V30」は52kWh/年。画面は大きくなっているのに電気代は3分の1以下だ。
消費電力が劇的に下がった理由について本村氏は、「さまざまな要素があります。バックライトがCCFLからLEDに変わり、同時にパネルの透過率が向上して明るさを抑えられるようになりました。回路でも(新しいLSIで)集積度が上がるなど、さまざまな点で劇的に改善されています。東芝では設計部署に環境部門があり、専任のチームがコツコツと電力消費を抑える努力をしてきましたので、その成果でしょう」と胸を張る。実際、10年前の液晶テレビでは、消費電力のかなりの部分が熱になって逃げていたという。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR