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間違いなく史上最強の高画質メディア――米国版Ultra HD Blu-rayをチェックした山本浩司の「アレを観るならぜひコレで!」(3/3 ページ)

» 2016年03月22日 19時09分 公開
[山本浩司ITmedia]
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パナソニック「TH-60CX800」が好印象

 HDRにすでに対応した4Kテレビ、パナソニック「TH-60CX800」と東芝「65Z20X」、それにVPL-VW500ESの後継機でHDR対応のプロジェクター、ソニー「VPL-VW515」でもUltra HD Blu-rayの画質を確かめてみたが、もっとも好印象だったのはTH-60CX800だった。

パナソニックの「TH-60CX800」

 HDRならではの魅力、すなわち先述した白ピークの伸びによって得られる映像の力感とハイライトの階調表現、それにBT.2020色域に対して歪まないように最適化された色空間での色情報の豊富さを、いちばんリアルに実感できたのがTH-60CX800だったのである。ただし、黒浮きしやすくVAパネルに対して正面コントラストで劣るIPSパネル採用機だけに、漆黒の表現と暗部の描き分けは東芝65Z20Xに分がある印象だった。

 VPL-VW515で観るUltra HD Blu-rayの画質は当方の期待通りとはいかなかった。HDR対応のVW515にはUBZ1からはPQカーブ固定で出画されるわけだが、Ultra HD Blu-rayの10bit階調の恩恵が感じられない暗部がつまったような画調になり、これならガンマ設定をユーザー側で自由に設定できるようにしてほしいと思った。また、最大輝度1800ルーメン程度では、HDRならではの強靱(きょうじん)なコントラストを十全に表現するのは難しいとも実感させられたのだった。

 もっとも我が家のVW500ESに比べて色再現は秀逸で、「オデッセイ」のアストロノーツが着るオレンジ色の宇宙服のリアリティはHDR対応のVW515が明らかに勝っていると思わせた。

 まあいずれにしても、この3月現在、Ultra HD Blu-rayの魅力を余すところなく表現できる4Kテレビ/4Kプロジェクターは存在しないといっていい。1月のCESで発表された「Ultra HD Premium」規定を満たした製品の登場を待ちたいところで、個人的には同じくCESで発表された、きめ細かなローカルディミングを採用したパナソニックのVAパネル採用機や、より高輝度の最新パネルを搭載したLGエレクトロニクスの有機ELテレビに期待を寄せている。これらの4Kテレビでいち早くUltra HD Blu-rayをじっくり賞味したいと思う。

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