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すべては“かまど炊きを超える”ために――パナソニックの地道すぎる技術開発とは?滝田勝紀の「白物家電、スゴイ技術」(3/3 ページ)

» 2016年03月31日 15時26分 公開
[滝田勝紀ITmedia]
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 また、これまでのハード面による美味しさの追求とともに、炊飯器のさらなる美味しさを実現するために、ソフトウェアの進化こそが不可欠だ。パナソニックスマートアプリの「銘柄炊き分けコンシェルジュ」は、炊き分けられる銘柄が、これまでの36銘柄から5銘柄を追加。計41銘柄ものお米に対し、その特性に合わせて炊飯時の火加減を調整する。お米のポテンシャルを最大限に引き出すことができるという。

北は北海道から南は鹿児島まで、合計41銘柄ものお米を炊き分ける。ちなみに、新たに追加された5銘柄は、滋賀「秋の詩」、群馬「ゴロピカリ」、島根「似多米」、千葉「ふさこがね」、宮崎「まいひかり」
実際に試食したごはんは、口に入れて噛み締めた瞬間、ごはんってこんなに甘かったっけ? と思うほど。見た目にもツヤ感が増している

 さらに白米だけでなく、赤飯やおこわなどを美味しくする専用コースも進化。通常、浸水や“ざる上げ”などの下準備を含め、約13時間は掛かる赤飯やおこわの炊飯。それを専用コースを使うことで、スチーム温度をアップし、46分という短時間で、まるで蒸したようなもちっとした食感に仕上げることができるようになった。実際に前モデル「SR-SPX5シリーズ」と比較しながら、新モデル「SR-SPX6シリーズ」で炊いた赤飯を試食してみたところ、1粒1粒の弾力が高まり、もっちりとした噛み応え。同時に、瑞々しさもアップしたことが分かった。

赤飯も左が新モデル「SR-SPX6シリーズ」で炊いたもの。見た目からも瑞々しくもっちりした感じが伝わると思う

 炊飯器はやっぱり炊飯器である。本質的な価値は、炊き上がったご飯の美味しさで決まる。パナソニックは技術の進化を止めることなく、その本質から目をそらさず、さらなる領域へと美味しさのレベルを引き上げることに成功した。約60年の炊飯器作りを結集したスチーム&可変圧力IHジャー炊飯器「SR-SPX6シリーズ」は、ボタン1つで“かまど炊きの美味しさ”を超えた。

 今、炊飯器はいらないとガスで炊いている人、直火こそが一番美味しいと信じている人にこそ、このパナソニックがエンジニアやライスレディが本気を出して作った「SR-SPX6シリーズ」の実力を知ってほしい。確実に炊飯器のイメージが変わるはずだ。

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