具体的にどんなことができるかといえば、Welcomeが家族のある人物の帰宅を確認したらメールを送ったり、ツイートを飛ばすといったことができる。スマホの通知機能とのダブルチェック的に使えそうだが、まあ、これだけではWelcomeアプリでできることと大して変わらない。IF by IFTTTと連携することの醍醐味(だいごみ)は、他のさまざまなアプリと連携しながら、ユーザー主導で我が家にあるスマート家電をつなげていけることにある。
例えばIF by IFTTTはフィリップスのスマートLEDライト「Hue」に対応しているので、ユーザーの帰宅・外出に合わせて照明のオン/オフを自動で制御したり、不審者が侵入してきたらLEDを点灯してセキュリティ効果を高めるといった使い方もできるだろう。
国内ではまだ対応している機器はないが、海外ではIF by IFTTTによるトリガーで操作ができるネットワーク対応のオーディオシステムも発売されているそうだ。AV機器とWelcomeを連携させることができたら、例えばユーザーが帰宅したら音楽を再生したり、家族の顔を認識して、テレビを点灯して好みのチャンネルに合わせるといったインテリジェントな家電のコントローラーとしての活用スタイルも見えてくる。
家電機器のインタフェースは、近い将来に本体に同梱(どうこん)される旧来の物理リモコンから、スマホやタブレットとアプリを活用したソフトウェアリモコンに主流が入れ替わるという見方もあるが、一方では音声認識技術を活用したボイスコマンドによる操作と同等の立場に、Welcomeのようなスマートな顔認識技術を搭載するネットワークカメラが台頭してきて、手元の操作が要らない“究極のハンズフリーリモコン”として一気に浸透してしまう可能性もあるのではないだろうか。今回、Welcomeの驚くほど高精度な顔認識技術と、IF by IFTTTアプリとの思った以上に多彩な連携操作を体験してみて、強い実感を持った次第だ。
Netatmoでは、今後セキュリティから省エネルギー、快適な生活環境を実現するスマート家電を個別に開発しながら、それぞれを結びつけてスマートホームを実現するための技術開発にも力を入れていくという。今後もその動向に注目したいメーカーだ。
オーディオ・ビジュアル誌の編集・記者職を経たのち、フリーランスのライターとして活動する。ハイレゾに音楽配信、スマートフォンなどポータブルオーディオの最先端を行く技術とサービス、コンシューマー向けエレクトロニクス機器全般の使いこなしをテーマとするレビューに加えて、それぞれの開発者へのインタビューを得意とする。海外での展示会取材レポートやメーカー開発者へのインタビューなども数多くこなす。
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