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「春のヘッドフォン祭2016」に突如現れた「Head-Fi Japan」とは?――世界最大のヘッドフォンコミュニティとその展望(2/3 ページ)

» 2016年05月20日 12時53分 公開
[島幸太郎ITmedia]

田代氏: 私は元々音楽制作業界におりまして、音楽作品のプロデュースをしておりました。ニューヨークのSMEスタジオとも仕事をしており、今でもニューヨークにスタジオを持っています。ウィキア・ジャパン内の「Head-Fi Japan」の編集長を担当します。その他、ソーシャル担当・“meet up”の調整役を夏希が担当します。私も“meet up”に参加しますが、あくまで主役は参加者の皆さんです。われわれはあくまで黒子に徹していきたいので、Judeさんを中心とした「Head-Fi」をサポートする予定です。

――Wikia Inc.と「Head-Fi」との関係はどのようなものでしょうか?

Wikiaの本国サイト。さまざまなファン向けフォーラムを運営している

Mansilla氏:最初は2010年に今のWikiaの前身の会社がHead-Fiにコンタクトしたことが始まりです。私のように、数多くのユーザーを抱えるWebサイトを持っている個人の場合、全てを自分自身で行うことはすでに限界を迎えており、私自身はコンテンツの作成に集中したいという想いがありましたので、広告などのマネタイズについてはWikia Inc,にマネージメントを任せています。

田代氏:Wikiaは、Wikipedia(ウィキペディア)の創始者である Jimmy Wales氏が2006年にコンテンツの商業分野でのコラボレーションを促進することを目的に立ち上げたサービスです。「ゲーム」「テレビ」「音楽」「映画」「書籍」「ライフスタイル」といったカテゴリごとに、特定のテーマについてファンがコンテンツの追加や更新を通じて交流するソーシャル・コミュニティサイトのホスティングを行っています。現在全世界では200以上の言語で記述された合計30万件以上のコミュニティ、3400万のページが開設され、毎月17億ページビューのアクセスがあります。

――Wikia Japanとはどのような会社なのでしょうか?

ウィキア・ジャパンが運営している日本語版のWikia

田代氏:ウィキア・ジャパンはWikia Inc.の日本法人として2014年に設立されました。元ソニー・ピクチャーズエンタテインメント社長で、元BBCワールドワイドジャパン社長の宗方謙が代表取締役を務めており、Wikiaプラットフォームを利用した日本語の各種コミュニティサイトを運営しております

――本家「Head-Fi」は製品のレビューのほかにユーザーフォーラムによる活発なコミュニケーションという2つの柱があるように思いますが、「Head-Fi Japan」もこうした内容を踏襲したものになるのか、それとも日本独自の路線をお考えでしょうか

Mansilla氏:はい。日本でも「Head-Fi」同様の立て付けにしたいと思っています。現在、われわれは「プラットフォーム」と呼ばれる新しいデザインを検討しており、まだ公開する段階ではありませんが、「Head-Fi」も「Head-Fi Japan」も共通の「プラットフォーム」を利用する予定です。新しい「プラットフォーム」は、相互のコンテンツの翻訳もスムーズに行うことができるよう配慮した作りになっており、英語で書かれているレビューもなるべく早く翻訳して提供できるようにする予定です。

 また、今後は製品を独自に測定し、結果を公開することも予定しています。こうした測定結果は翻訳の難易度が低いうえに、技術的な知見の高い日本の参加者には親和性が高いのではないかと思っています。もちろん私も技術的な話が大好きです(笑)。ヘッドフォンやアンプ、DACの測定にはAudio Precisionの最新の測定器を使います。

 もちろん、「プラットフォーム」は共通といっても、国ごとに文化の違いがありますから、日本の参加者がなじみやすいようにしたいと思っています。

――「Head-Fi」相互に翻訳を進めるということですが、どういった判断基準で翻訳するしないを決めていくのでしょうか

Mansilla氏:翻訳はHead-FiからJapanへと一方的に行われるものではなく、双方に行われるべきだと思います。特に、パーソナルオーディオの新製品は日本で発表されることがとても多いので、日本から海外に記事を翻訳して配信するということも必要と考えています。日本のエンスージアストの熱量を海外に発信していくこともまた私が夢見ていることです。ですので、日本独自のコンテンツ、日本発のコンテンツというものも積極的に用意していきたいと考えています。

――「Head-Fi Japan」はヘッドフォン祭のパンフレットでキャラクターや漫画といった日本の文化を前面に出したアピールを行っていました。こうした取り組みは「Head-Fi Japan」独自の取り組みと思えます。こうしたアプローチを採った狙いはどこにあるのでしょうか

田代氏:1つはHead-Fiのほうでもアニソンのトピックが非常に人気があること、そしてアニメのキャラクターなどにも人気があることから、今回はストーリー性を持たせた漫画を用いた紹介に取り組んでみました。こだわりのポイントとしては、イラストではなくて漫画的なストーリー性をもった内容にしたいと思っています。特に、若いお客さん向けにさらにハードルを下げたものにしたいですね。今回、女性スタッフの衣装を考えたのも私です。

Mansilla氏:実はHead-Fiのフォーラムにはオーディオに直接関係ない話題のカテゴリがあるのですが、その中で最も人気があるのが日本のアニメ・漫画に関するトピックです。そこで、今回は日本のアニメ・漫画をリスペクトする内容にしてみました。

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