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気軽に持ち歩ける、画質くっきりの1型コンデジ「Powershot G7 X Mark II」(2/3 ページ)

» 2016年06月12日 09時30分 公開
[荻窪圭ITmedia]
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画像処理エンジンが新しくなりメニューもEOS風に

 では撮ってみる。

PowerShot G7 X Mark II コンパクトなG7 X II

 広角系の1型センサーハイエンド機の市場はソニーの「RX100」シリーズが作ったといって過言ではないが、キヤノンはそこに対してレンズスペックを少しだけ上げてきた。F1.8〜F2.8という明るさを保ちつつ、望遠側を100mm相当と少しだけ強くした。ライバル機に比べると望遠に少し強いのはメリットだ。

PowerShot G7 X Mark II 24mm相当の広角端
PowerShot G7 X Mark II 100mm相当の望遠端
PowerShot G7 X Mark II 猫のけんか。夕刻で暗くなりかけていたが、100mm相当F2.8だとISO640でこれが撮れる。オート(F2.8、1/200秒)、+0.33EV、ISO640、焦点距離:100mm相当

 シャッタースピードは最高で1/2000秒。快晴下で絞り開放で撮るとこのシャッタースピードでは足りないが、NDフィルターを内蔵しており、NDオートにすると自動的にNDフィルターで調節してくれる。その代わり電子シャッターは使えない。

PowerShot G7 X Mark II 晴天下の明るい構図なので自動的にNDフィルターがオンになりシャッタースピードが1/640秒に抑えられた例。絞り優先(F1.8、1/640秒)、+1.0EV、ISO125、焦点距離:24mm相当

 ISO感度はISO125から12800。ISOオートは標準に加えて早めと遅めを指定できるが、早めにすると、標準では1/100秒でISO1000の暗い場所でも、1/1000秒でISO10000なんていうすごいセッティングで撮ってくれたりするので、要注意。早めと遅めの差がちょっと極端すぎるかと思う。

PowerShot G7 X Mark II ISOオート設定で上限と上がり方を変えられる

 撮影最短距離は広角側で約5センチ、望遠側で40センチ。AFにはマクロモードとオートモードがあるが、オートモードでマクロ域までフォーカスが合うので普段は気にしなくてよい。

 マクロモードに切り替えると、5センチから50センチのマクロ域にしかフォーカスが合わなくなる。近距離で撮影したいのにフォーカスが背景に合っちゃうときや、マクロ撮影時のAFを速くしたいときに切り替えるといい。

PowerShot G7 X Mark II フォーカスモードは通常に加えてマクロモードがある

 AFはオートモードで近距離の被写体を撮ろうとすると、ちょっと遅かったり後ろに抜けやすくなったりするが、基本的には快適だ。タイムラグも少なく、使っていてもたっとすることはまずない。タッチAFを使えば任意の位置にフォーカスを合わせられるほか、フォーカス枠のサイズもリングで切り替えられる。

PowerShot G7 X Mark II タッチAF時の画面

 これはなかなかよい。

 露出補正は撮影モードダイヤルと2段になっており、親指で回しやすい位置にある。この2段ダイヤルはなかなか素晴らしい。

PowerShot G7 X Mark II 上面はシンプル。アクセサリシューはなく、電源、シャッター+ズーム、2段ダイヤルという構成だ
PowerShot G7 X Mark II 背面の構成はG7 Xと同じ。十字キー周辺にロータリーダイヤルがある。RING.FUNCはレンズ部のリングに割り当てる機能をその場で切り替えるボタン。これのおかげでリングを快適に使える
PowerShot G7 X Mark II リングには撮影モードに応じて自動的に内容が変わるSTDモードの他、ISO感度、ホワイトバランス、ステップズームなどに割り当てられる。リングにISO感度を割り当てると、背面のロータリーダイヤルが絞り(あるいはシャッタースピード)用になる。

 操作系周りでG7 Xと大きく変わった点が1つある。

 メニューのデザインが従来の「Powershot型」から「EOS型」に変更されたことだ。

PowerShot G7 X Mark II メニューのデザインがEOSと同じに
PowerShot G7 X Mark II ピクチャースタイルもEOS式になった

 従来の「ダイナミックレンジ補正」と「暗部補正」も「オートライティングオプティマイザ」と「高輝度側・階調優先」に変更された。

PowerShot G7 X Mark II 高輝度側・階調優先のオンオフ
PowerShot G7 X Mark II オートライティングオプティマイザに。ファンクションメニューのデザインも変わっている

 セカンドカメラとして使いたいEOSユーザーには朗報だ。

動画には自動水平補正が

 動画機能は4Kに非対応で、フルHDまでだが、ブレ補正には力を入れており、5軸手ブレ補正(ダイナミックIS)を搭載。自動水平補正機能も用意された

PowerShot G7 X Mark II 自動水平補正機能が

 面白いので試してみたのがこちら。本来は撮影時のカメラの傾きに対応するものだが、わかりやすいよう噴水を撮りながら、わざとカメラを左右に傾けてみた。

自動水平補正なし

自動水平補正あり

 動画はMP4形式で保存される。

ブランコに乗ってもらった

 もう1つ、最後になったが、自撮り機能も充実した。

PowerShot G7 X Mark II モニターを180度反転させて自撮りモードに
PowerShot G7 X Mark II 自撮りモードで撮影

 なお、シーンモードから「自撮り」を選ぶと美肌効果など、自撮りならではのエフェクトをかけることも可能だ。

 でもまあ基本的にはG7 Xの後継機。G7 Xのコンセプトや良さを生かしつつ、モニターのチルト形状が進化したり、USB充電が可能になったり、メニューがEOS風になったりと細かく改良されており、確実にハイエンドっぽさは上がった。

 今コンデジを買うなら高画質を期待できる1型センサー機が第一候補になるわけで、EVFと4K動画を必要としないのならG7 X IIはいい選択肢だ。気軽に持ち歩けるし、タッチパネル対応なので操作もしやすいし(何よりタッチAFは便利)、画質もくっきりしていて見栄えがする。

 お勧め度は高い。

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